令和時代を生きる20代女性が発した切ない言葉 女でも稼げる仕事がしたい、の大きな意味

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治部:確かにそうですね。あと、昇進を打診されて「僕で務まるのか……」なんて口にする男性はほとんどいませんよ。

それはきっと、社内で昇進・昇格するのは特別なことじゃないと捉えているからだと思います。

「女性が管理職をやりたがらない」と一言で問題を片付けずに、会社や社会の中で、もっと「女性が管理職になるのは当然のこと」という価値観を育てていく必要がありますね。

“ちょっとの勇気”で生涯年収が6千万円アップ?

――「私は管理職にふさわしい」とか「私はもっと給料をもらって然るべき」とか、謙遜をせず希望を口にするのって勇気がいりますよね。

治部:行動経済学の研究で興味深い調査があります。統計的に女性の方が給料交渉をせず、男性と同じ量のタスクをこなしていても、低い金額で引き受けてしまうそうです。

アメリカでは初任給も求職者が企業に交渉して決めることがほとんどですが、カーネギーメロン大学で修士号を収めた学生を調べたところ、交渉した人はしていない人より、平均して年収が70~80万円上がっていたそうです。

――年収で70~80万と聞くとそんなに大きくはない気がしますが、生涯年収にするとかなり差がでますよね。

治部:そうなんです。生涯年収として合算してみると、6000~7000万円もの違いが生じてしまいます。

年収交渉をするとしないでは年収に大きな差が生まれる(写真:Woman type)

同じ能力を持った人でも、交渉したかどうかでこんなにも稼ぎに差が生まれてしまうんですよ。

酒向:それはすごいですね。

最初の段階で、遠慮するか、とりあえずちょっと勇気を出して「もっと給料をあげたい」って言って交渉するか。それだけの違いでそんなに差がつくなんて……。

治部:私も一度転職をしたんですが、そのときは子どもが2人いて、フレキシブルに働ける職場を探していました。

条件に合う会社を見つけて入社を決めましたが、その会社に知り合いがいて、「君の職種は今うちの職場で必要とされているから、もっと給料を上げられるはずだよ」って教えてくれたんです。

――治部さんはそこで交渉してみたんですか?

治部:ええ。「私にはこれくらいのことができるから、給料はこれくらい欲しい」って人事に伝えてみたところ、もともと提示されていた額よりも上げてもらえたんですよ。

あまりに過大な要求を通すのは無理ですが、人に相談したり、転職サイトを見たりして世の中の相場と自分のスキルを照らし合わせることができれば、自信を持って給与交渉ができるようになると思います。

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