50年行列が続く!地味な「駅ビル喫茶店」の秘密 客の95%が注文「昭和ホットケーキ」がスゴい
3つめは、従業員全員で「本物のホットケーキ」を提供しようという気持ちでいることです。
店内のカウンター席の一部はガラス張りになっていて、ホットケーキが銅板で焼けていく様子を見ることができます。ホットケーキ好きにとっては、よりホットケーキを楽しめる特等席です。
50年使い込んでいる銅板は、見事に磨き込まれています。シンプルな食べものだからこそ、材料の選別、仕込み、焼き加減など「繊細な職人技」が活きてきます。
黒川さんはこう言います。「いくらいいレストランでも、キッチンを見せられないのはダメ。オープンカウンターにしているのは、『見せていい仕事』だという誇りでもあるし、お客さまも安心だと思います」。
そして、このお店で特筆すべきは、「従業員の対応のよさ」です。大学生や高校生のアルバイトが中心ですが、その対応がてきぱきしていて、実に気持ちがいいのです。
休日などはさぞかし重労働かと思うのですが、黒川さんはこう教えてくれました。「平日は4人で回していますが、チームワークがいいからできること。お客さんがたくさん来て、混み出すとみんなノッてきます」。
アルバイトの女子大生の言葉が、このお店のすべてを物語っています。「『本物のホットケーキ』を提供しているというプライドがあります」。
「一見ありふれたもの」でもビジネスとして成功できる
一般的には、ホットケーキはありふれた食べものだと思われています。しかし、「ありふれているからビジネスとしてうまくいかない」という考え方はきわめて短絡的です。
たとえ「商品」がありふれたものでも、「味」がありふれていなければ、売れるはずです。逆にいえば、売れないのは、「商品」がありふれているからではなく「味」がありふれているからなのです。
ありふれているものでも、「本物」を提供すれば、ビジネスとして成功することはできます。50年行列が途切れないお店は、私たちに「大事なビジネスのヒント」を教えてくれているのです。
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