50年行列が続く!地味な「駅ビル喫茶店」の秘密 客の95%が注文「昭和ホットケーキ」がスゴい

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ひとつめは、「『伝説の職人の味』を引き継ぎ、守り続けている」ということです。

ホットケーキの「原型」の味を守り続けている

【1】万惣の味を引き継ぐ「ザ・ホットケーキ」

その昔、神田須田町に『万惣フルーツパーラー』というお店がありました。そのお店で、新鮮なフルーツと並んで大人気だったのがホットケーキでした。池波正太郎などの文人にも愛され、エッセイなどにもたびたび登場しています。

万惣には、「加茂謙」という伝説の職人がいました。彼こそが「万惣のホットケーキ」の生みの親であり、ホットケーキの「原型」をつくった人だと言われています。

万惣は惜しまれながらも2012年に閉店してしまいましたが、その味を引き継いでいるのが『シビタス』です。東急プラザのオ―プンと同時に万惣の蒲田支店として開業し、万惣閉店後もその味を守り続けています

そして、このお店を切り盛りしているのがマスターの黒川義正さんです。黒川さんは20年以上も『シビタス』でホットケーキを焼き続けており、令和の時代になった今でも、万惣の味を多くのお客さまに届けています。

【2】材料のよさをダイレクトに伝える「プロの職人技」

黒川さんがホットケーキを焼くその動きは実に手際がよく、一切ムダがありません

『シビタス』マスター・黒川さんの無駄のない動き(撮影:今祥雄)

生地は毎朝、手で仕込みます。一度の仕込みでボウル3つ分。土日は12ボウルも用意しますが、夕方5時半ころには売り切れになることが多いようです。

見た目はイメージ通りの普通のホットケーキ。こんがり焼けた美しいきつね色が食欲をそそります。バターを塗り、万惣直伝の濃厚シロップをかけて食べると、文句なくおいしい!材料のよさがダイレクトに伝わってきます。焼き加減も絶妙です。

生地とバターとシロップが渾然一体となり、誰もが思わず「おいしい!」と笑顔になります。何の変哲もありませんが、家庭では絶対に食べることができない「プロ」の味です。大人から子どもまで、男女の境なく、みんなに愛される正統派の「本物」の味。これが50年も行列が途切れない理由のひとつです。

ランチタイムには上質なソーセージやハムを添えたホットケーキも人気で、食事としても楽しめます。最近では、外国人にも人気で、日本滞在中に何度も訪れる外国人旅行者もいるそうです。

また、このお店を経営しているのは、老舗の果物卸の神田万彦です。あの千疋屋の仕入れを一手に任されている知る人ぞ知る会社です。

だから、『シビタス』ではフルーツもおすすめ。とりわけオーダーを受けてから、フルーツをカットしてつくるフルーツジュースも大人気なのです。

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