「世界のチョコ」パッケージ視点からみる新潮流 サロン・デュ・ショコラを賑わせたのは?
「マレーン・クーチャンス」は、香港のペニンシュラでシェフ・ショコラティエを務めたこともあるベルギー人シェフのマレーン・クーチャンスさんと、京都の和菓子メーカー「京菓子處 鼓月」が手を組み、2016年にオープンしたお店だ。
「日本ダイスキ」だというクーチャンスシェフが「ジャパン コレクション」に詰め込んだのは日本愛だ。
日本の味覚をショコラに昇華させた「テリヤキ山椒」や、竹林をイメージした「バンブー」などボンボンショコラ6種がとてもカラフルで、チョコに描かれた絵柄も美しい。
グレーの円形ケースは、日本のお客に好評とのことでケースに合わせてトレイも円形のプラスチックトレイにしているという。
「触感」にこだわったパッケージ
最後にパリ「サロン・デュ・ショコラ」2019でベストチョコレートショップアワードを受賞した東京のブランド「クリオロ」を取り上げたい。
フランス・プロヴァンス出身のサントス・アントワーヌシェフが「自分の好きなチョコレートだけをわがままにセレクトした」という「シェフのわがままセット」は、赤いボックスとリボンが目を惹き、美しい。
アントワーヌシェフは、流暢な日本語でこう話す。
「私にとってパッケージとは、触感です。いろいろな手触りがあると、楽しいし嬉しい。うちのチョコレートのパッケージは、手触りを追求するために、リボンのスベスベした触感などにもこだわっています。また、色は日本の方の感覚は、少し子供のようなところがあるので赤とかピンクがとても喜ばれます。『クリスピー・ミックス』という商品はパッケージを茶色からピンクに変えたら売り上げが伸びました。だから『シェフのわがままセット』は赤にしました(笑)」
なんと、手触りを重視してパッケージを考えているというアントワーヌシェフ。パッケージには課題も感じており、「もっと、工夫が必要です。平面だけでなくもっと立体的で、様々な触感のものを開発してください」という。
青沼社長も「もっと積極的に面白いトレイなどを提案する必要がありますね」と答えた。
今回サロン・デュ・ショコラを取材して見えてきたのは、各ブランド・各シェフがチョコレートそのもののみならず、パッケージにも非常に精魂込めて工夫を凝らしていることだった。
「お菓子」の域を超えて「芸術品」の域にさえ至っているのではないかと思わされる素敵なチョコレートの数々だった。
1月27日から開催されているサロン・デュ・ショコラ2020の東京での開催は2月2日までだ。29日時点ですでにいくつかの商品では完売情報も出ている。パッケージにも注目しながら祭典を楽しむのも面白いかもしれない。
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