グッチ、シャネル、ヴィトンの華麗な社会貢献 奨学金、女性支援から環境問題まで

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●教育支援

“教育はすべての子どもにとって永遠の贈り物”という考えの下、グッチは2012年から「ユネスコ協会就学支援奨学金—GUCCI奨学生」というプログラムを展開しています。もともと、ユネスコ協会就学支援は被災地の小・中学生を対象に、返還不要で奨学金が給付される制度で、すでに2000人近い子どもが支援を受けています。そして、このグッチ奨学生では、57人の中学生に3年間の奨学金が支給されることになりました。

また、このほかにもグッチは東日本大震災以降、200万ユーロ(約2億3000万円相当)という巨額の寄付をはじめ、毎年、ネックレスやブレスレットといったチャリティアイテムを販売し、その売上金全額や、チャリティガラを企画しその収益の一部(約4000万円)を寄付するなど、継続的な東北支援を続けています。

●女性支援


Chime For Changeの発起人 左からピノー夫人 サルマ・ハエック・ピノー、グッチのクリエイティブ・ディレクター フリーダ・ジャンニーニ、歌手のビヨンセ・ノウルズ・カーター
(写真:courtesy of Getty Images for Gucci)

全世界を対象にグッチが行っているのが、女性支援を目的とした“Chime For Change”というキャンペーンです。この“Chime For Change”というキャンペーンでは、パートナーであるクラウド・ファンディング・プラットフォームのカタパルトを通じて、参加する団体のプロジェクトに、誰でもどこからでも直接かつ自由に支援することができる仕組みになっています。サポートできるプロジェクトは、“Education”“Health”“Justice”のカテゴリーに属し、女性の地位向上やエンパワーメントを目的としたもので、今まですでに81カ国280以上のプロジェクトで資金を達成しています。さらに、昨年の6月には、このキャンペーンの発起人のひとりである歌手のビヨンセをはじめ、活動に賛同する大物アーティスト、マドンナ、メアリー・J・ブライジ、ジェニファー・ロペスほか多数が登場するライブがロンドンで行われ、5万人を動員したそうです。そして、そのライブのチケット代4億3000万円は、Chime for Changeを通じさまざまなプロジェクトに寄付されました。

このほかにも、グッチはマーティン・スコセッシ監督により設立された、歴史的な映画(フィルム)の修復・保護を行う“The Film Foundation”のサポートと、修復されたフィルムを上映するCinema Visionaries活動を行っています。また、実際に修復された映画は日本でも上映されていて、あまり知られていませんが、グッチ銀座店の中にあるとても優雅な特設シネマルームで映画を楽しむことができます。※詳細は、こちら

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