「客が来るはずがない」ベトナムイオンの快挙 下馬評を覆し15万人のベトナム人が押し寄せた!

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「郊外に客が来るわけがない」

日本でイオンといえば誰もが知る存在だが、ベトナムではそうではない。だからこそ、苦労したこともあるという。たとえば、「郊外型ショッピングセンター」という業態自体がこれまで存在しなかったため、取引先やテナントは半信半疑、それどころか「そんなところまで客が来るわけがない」と後ろ向き。おかげで、開店前までにテナントをそろえる過程では、厳しい交渉が続いたという。

グランドオープン当日の様子

テレビ広告などはいっさい行わずに130万人に告知

にもかかわらず、初日にこれだけの客が集まった背景のひとつには、「ウェブ」の影響力があった。1日のソフトオープンからうわさを聞きつけ訪れた客たちがスマートフォンで写真を撮影し、それをFacebookや現地のグルメサイトに次々と投稿した。

加えて、チラシの配布や誘導看板、ポイントカード会員の募集も効いてか、バイク15分圏に住む130万人の住民に知れわたり、それがグランドオープンで弾けた格好となった。「すごい宣伝効果。まさに客が客を呼ぶということを実感した」(西峠氏)。テレビCMなどマスコミによる告知はいっさいしなかったという。

それだけベトナムでは、いわゆるGMSと呼ばれる大型の総合スーパーというのが、珍しくインパクトがあったのだ。西峠氏いわく、今のベトナムは昭和40年代の日本のような状況。人口が増え、産業が発展し、収入も伸び、さらなる新しい業態の出現が消費者から望まれている。しかし街には小さなスーパーやコンビニしかなく、限られた場所でしか買い物や食事をすることができなかった。

モール内の子どもが遊べる施設

それが、2007年にベトナムがWTOに加盟し、2009年に小売業界の規制が緩和され、100%外国資本の参入が可能になった。他業界ではスターバックスコーヒーやマクドナルドなども、ようやく出店を果たした。そうした背景の中で、単に買い物や食事ができるだけでなく、遊びやカルチャーにも触れ、楽しく時間を消費するというライフスタイルが、この国で生まれ始めていったのだ。

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