2020年は「日本株が米国株よりも有望」は本当か 重要なのはトランプ大統領再選だけではない

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また、日本株のパフォーマンスが、アメリカ株を大きく上回ったのは2013年、2015年だった。この2年の特徴は、為替市場においてドル円が円安基調で推移したことである。この時と同様、2020年に円安ドル高が進めば、日本の企業業績全体が改善し、日本株がアメリカ株をアウトパフォームするだろう。

筆者は2020年のドル円相場は、これまでのレンジが大きく変わる可能性は低いとみている。2017年から約3年にわたりドル円は110円を挟んだ推移が続き、近年変動率が低下し2019年には110円前後での極めて狭いレンジでの膠着相場が続いた。同様の膠着相場が2020年も続くか様々な見方があるだろうが、この点は別の機会に考えを述べたい。

日本側の要因でドル高円安が進む可能性は低い

今回のコラムでは、ドル円の方向性に影響するアメリカと日本の経済政策について考える。2020年の金融市場の最大の関心事はアメリカ大統領選挙で、経済政策の運営がどう変わるかによって、これがドル円に多少は影響するだろう。そして、2020年は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の変更を予想していないことなどから、ドナルド・トランプ米大統領が再選となってもアメリカ要因によるドル高が進む可能性は低いとみている。

そして、日本側の要因で2015年までのように円安が進む可能性は低いだろう。この点について、以下で日本側の要因で円安が進んだ2015年までの経緯、さらに2020年の日本の経済政策、政治情勢を考えてみよう。

2013年から本格始動したアベノミクスで、レジームチェンジを果たした日本銀行による金融緩和政策が2015年までの円安要因になった。その後2016年には、日銀の金融政策はマイナス金利導入を含めた試行錯誤を経ながら金融緩和強化を図った。同年9月に導入したイールドカーブコントロール(YCC)を通じて、長期金利をゼロに釘付けにする新たなツールを導入した。

YCC導入で、金融市場で長期金利に上昇圧力がかかっても、それに対して日銀が国債購入を拡大させる仕組みを整えた。この枠組みでは、アメリカの金利上昇や自国の財政政策拡大によって長期金利に上昇圧力がかかる時に、日銀による国債購入が拡大するので金融緩和効果が強まる。

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