春名風花さんへのSNS「罵倒」投稿に問われる罪 SNS上での名誉毀損に、どう対処すべきか

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(2)経由プロバイダーの特定

投稿者がコンピューターやスマートフォンなどの端末機器によってインターネットに接続した場合には、その都度、経由プロバイダーから、端末機器1台ずつにIPアドレスが割り当てられます。そして、経由プロバイダーから割り当てられたIPアドレスは、投稿者がインターネットに接続し、記事を経由プロバイダーを通してコンテンツプロバイダーが管理するサイトに投稿すると、コンテンツプロバイダーまで送信されます。

 経由プロバイダーが有する投稿者の氏名、住所などの情報を得るために、まずはIPアドレスによって経由プロバイダーを特定する必要があります。また、家庭用の機器などでは、通常、接続の都度、IPアドレスが変わるため、どの時点で割り当てられたIPアドレスかを特定するために、その日時(タイムスタンプ)についても開示を求めます。

そこで、被害者はコンテンツプロバイダーに対して、発信者情報開示仮処分を申し立てることによって、IPアドレスおよびタイムスタンプの情報を取得します。

 発信者情報開示仮処分によって取得したIPアドレスなどを、「Whois」というIPアドレスやドメイン名の登録者などに関する情報を参照できるサービスで検索すると経由プロバイダーを特定することができます。

投稿者の住所などを得るために民事訴訟

発信者の特定のために、特定した経由プロバイダーに対して、発信者の住所、氏名、メールアドレスなどの情報を得る必要があります。

そのためには、発信者情報開示請求という民事訴訟を行う必要がありますが、まずは、発信者情報が経由プロバイダーから削除されないようにするために、発信者情報消去禁止仮処分を申し立て、そのうえで民事訴訟を行うべきです。

上記の手続きによって投稿者の住所、氏名などの情報を踏まえて、損害賠償請求などの責任追及を行います。手段としては、任意交渉(内容証明郵便などの送付を行ったうえで交渉)や民事裁判の提訴が考えられます。また、損害としては、慰謝料や業務妨害をされたことによる営業上の不利益などが考えられます。

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