見えないのに価値を生む「無形資産」とは何か

ビル・ゲイツ注目「世界経済最大のトレンド」

「世界経済最大のトレンド『無形資産』を理解したければ、本書を読むべきだ」とビル・ゲイツが絶賛した『無形資産が経済を支配する』では、無形資産の特徴をどのようにとらえているのでしょうか?(写真:metamorworks/PIXTA)
GAFAの台頭に代表されるように、工場や店舗といった「有形資産」ではなく、データやアルゴリズム、ブランド、研究開発といった「無形資産」の割合が増加している。しかし、無形資産は計測が難しいこともあり、その特徴や経済規模などを十分に把握できていなかった。
ジョナサン・ハスケルとスティアン・ウェストレイクの著書『無形資産が経済を支配する:資本のない資本主義の正体』では、これまで計測できなかった無形資産の全貌を初めて包括的に分析している。まず、無形資産の台頭で、私たちの経済にどのような影響があるのだろうか。本書を一部抜粋・編集のうえ、お届けする。

無形資産の台頭で何が変わるのか?

経済は有形資産だけでまわっているわけではない。例えば空港は、滑走路やターミナルやトラックだけでなく、見たり触ったりしづらいものも所有している。複雑なソフトウェア、航空会社や小売り業者との価値ある合意、社内のノウハウ。こうしたものはすべて、構築に時間もお金もかかったり、空港を所有した人にとっては、長持ちする価値を提供するものだが、物理的なモノではなくアイデア、知識、社会関係でできている。経済学者の用語だと、これらは無形資産と呼ばれている。

『無形資産が経済を支配する』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

経済が非物質的なものに依存するようになるかもしれない、という発想は目新しいものではない。アルヴィン・トフラーやダニエル・ベルのような未来学者は、1960年代や1970年代というずいぶん昔から「ポスト工業化」の未来について語るようになっていた。1990年代にコンピューターとインターネットの力がずっとはっきりしてくると、非物質的なものが経済的には重要だという発想は、ますます広く受け入れられるようになった。

社会学者たちは「ネットワーク社会」「ポストフォーディズム」経済といった話をした。経営の神様たちは、経営者に対して知識経済で活躍する方法を考えろと促した。

経済学者たちは、研究開発やそこから生まれたアイデアを、経済成長のモデルに組み込めるのではと考えるようになった。こうした経済は、ダイアン・コイルの著書『脱物質化社会』という題名に手際よくまとめられている。チャールズ・レッドビーターのような著者は、人々が間もなく「虚空で生きる」ようになると示唆した。

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