嫁と姑は結局、どちらが悪いのか? 我慢する表面的な関係より、文句言う本当の関係を

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嫁と姑、どちらが悪い?

その昔、韓流が始まったころ、とんでもない陰湿な姑が出てくるドラマがありました。あまりの陰湿さに私たちのグループでは、「ありえないよね~」と作り話すぎてつまらないと笑っていましたが、その中の一人が、「自分の姑とののしり方までそっくりで、見ていられないからこれはパス」というのです。「どんな言葉でもってしても心の葛藤は説明しきれない」というのが苦労している人の嘆きで、今の時代でもあるのですね~。

長い間、さまざまな嫁姑関係を見てきました。おおざっぱな感想ですが、世の中はとても皮肉にできています。観音様のように優しく、嫁の少々どころか我慢できない不出来や無礼をも温かく包み込み、太陽政策で嫁を導こうとする姑には、姑と仲良くすること自体がいやだという嫁がきます(家制度で話をしているようですが、結婚は夫婦が優先する単位であることは承知の上で話しています)。

だいたいこの形の家族では、優しい姑は、嫁の不行儀などについて、息子には一切告げ口しません。それが原因で夫婦仲が悪くなるのを望まないからです。浅はかな妻の一方的な言い分だけ聞いて暮らす夫(姑の息子)が、その母親への目線が妻(嫁)から目線と同じになるのに、時間はかかりません。

このような嫁の目線に引っ張られる夫もどうかと思いますが、およそこの形の夫婦が育てる子供は、私の知る限り、優しく豊かな心の持ち主には育っていませんから要注意です。

逆パターンの、姑とも仲の良い関係を作るのが当然と考える嫁には、嫁のすること成すことが気に入らない、姑根性を振りかざすのが特権と勘違いしている姑が待っている場合が多いです。とかくこの世はミスマッチが多いです。

社会が豊かになって、嫁姑問題も解決した?

上記の2パターンは嫁姑、どちらかが極端にひどい場合ですが(両方ひどい場合は放っておくとして)、衣食足りている昨今では人々の余裕がそうさせるのか、「表面上仲のよい義理の母娘関係」が大半です。この「表面上」というのがクセモノです。

もとは他人なのですから、ハッピーな嫁姑関係はドラマの中だけと割り切り、双方が理性や智恵を働かせて、「そこそこは良い」関係が、私の近所では定着しつつあります。結構なことだと思っていますが「ちょっと待った!」です。

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