「生理前の不調」に苦しめられる女性の実情 PMSやPMDDの治療は「婦人科」だけでは難しい

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PMSという言葉を知ったのはそんな頃だ。

PMSは、月経開始の3~10日くらい前から始まる精神的・身体的症状で、月経開始とともに減退・消失する。70%ほどの女性が何らかの症状をもち、日本人女性の6.5%は、社会生活に影響がある「中等症状以上」の症状を抱えているとの報告があるという。

私は「これだ!」と思い、まずはPMSに効果があるといわれる漢方を処方してくれる病院を探し、桂枝茯苓丸、加味逍遙散、当帰芍薬散、桃核承気湯、半夏厚朴湯、補中益気湯、抑肝散などを片っ端から試した。

しかし、どれもイマイチ効果が実感できず、結局続かなかった。

明らかにいつもと違う不安感

そんな中迎えた2019年の6月、そろそろ生理前の不快な症状が出る頃だと思っていたら、明らかにいつもと違った。

理由もなく不安でたまらない。

誰かにそばにいてほしいのに、誰かがそばにいると煩わしい。イライラソワソワして、走り出したいような、叫び出したいような気分で落ち着かない。他人と自分を比較して、自分はダメだと責め続け、「自分なんていないほうがいい」「死んでも誰も悲しまない」と思い、涙があふれてくる。自分で自分がコントロールできない感覚から、今にも何かとんでもないことをしでかしてしまいそうな気がして、脳内で警鐘が鳴り続けているような感じがする。

自分に対する嫌悪感と同時に、「これはまずい」という危機感に襲われ、私は必死にインターネットを検索した。

年齢的に少し早い更年期障害を疑い、「ホルモン補充療法」が目に留まる。「PMDD」という初めて見る単語にも引っかかった。

PMDDは、PMSよりも精神症状が強く現れ、日本人女性の1.2%がPMDDであるとの報告があり、治療対象になっているとのこと。

その治療方法には、うつ病の人の治療に使われるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)という軽い抗うつ剤が使われることもあると知る。

私は「ホルモン補充療法」とSSRIに興味を持ち、そのどちらにも対応できる病院がないか、近所の精神科や婦人科を調べ、4~5件ほど電話で問い合わせた。

すると、精神科は「ホルモン補充療法はできない」。婦人科は「精神薬は処方できない」と返答。

仕方がないので、更年期障害に的を絞り、ホルモン補充療法に詳しそうな婦人科に行くことにした。

婦人科の医師はまず、ホルモンの量を調べるため、血液を採取。約1週間後に出た結果は、ホルモンの量は十分すぎるほどあり、「更年期障害ではない」。

私は、生理が来ると生理前のつらさを忘れてしまうため、生理前のさまざまなつらい症状を紙に書き出して持って行った。

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