「国公立大医学部」合格者が多い高校ランキング 1位東海、2位灘…地方の私立中高一貫校強い
3位の洛南は京都大学・医学部の合格者数が灘に次ぐ11人で、東京大学・理Ⅲ(推薦の医学部を含む)にも5番目に多い5人が合格している。以下、4位ラ・サール、5位開成、6位久留米大学附設が続く。
いずれの学校も5年間コンスタントに多くの国公立大医学部の合格者があり、合計で300人以上を輩出している。こうした医学部に強い学校の特徴について、代々木ゼミナール・教育総合研究所の坂口幸世主幹研究員は次のように語る。
「医学部合格者が多い学校のキーワードは『集約』。医学部志望の優秀な生徒が集まることによる、医学部入試に向かう一体感やモチベーションの醸成がある。優秀な生徒は教えやすい一方、優秀な教員の集約が高い合格実績として結実している。そして、それが好循環しており、安定して多くの合格者を出せる。合格者が多いことにより、入試問題や面接の傾向、入学後の教育などの情報が集約されることも、一般的な学校には求められない環境といえるだろう」
ランキング上位には、私立の中高一貫校で占められるのが特徴だ。国公立大医学部入試は、センター試験で85%以上の得点が必要。ほぼノーミスが求められる試験をクリアするには、地頭とともに低学年時からのトレーニングが必要となる。そのため、ランキング上位を私立の中高一貫校が占めるのは、医学部入試の特性上仕方がないことかもしれない。
私立の中高一貫校が上位を独占
私立の難関中高一貫校に入学するためには、早期からの教育に対する投資が不可欠。学費が安い国公立大医学部に入るためには、初等・中等教育時にそれなりのコストがかかる。
公立の3年制の高校でトップ10に入ったのは、10位の札幌南。同校も医学部入試に関する人や情報が集約する学校だ。長い歴史の中で、ロールモデルとなる多数の医学部合格者がいることが優秀な医学部志望者の集約を促し、安定的に多数の医学部合格者を輩出している。
同校の2019年の北海道大学・医学部の合格者数は21人で、5人に1人は札幌南の卒業生。札幌市内に札幌医科大学があり、旭川医科大学も視野に入るという環境も後押しする。トップ20には、2019年の熊本大学・医学部入試で合格者の5人に1人を占めた熊本が13位に入っている。
地元の国公立大医学部を中心に多数の合格者を出してランキングに入っている公立の伝統校は全国各地に存在する。東北大学・医学部の合格者が17人で同大医学部ランキングトップの仙台第二(23位)をはじめ、旭丘(27位)、新潟(29位)、高松(33位)、岐阜と鶴丸(共に34位)などだ。
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