起業を前提とした就職
28歳での起業を決心した杉元は、就職活動においてはそれを実現するために、どんな会社に入るのがよいかを考えた。
そんな中、杉元は株式会社イトーキという創業100年を迎えるオフィス家具などを扱う会社に入社する。オフィスを通じて企業のアイデンティティを変えていく、働き方を変えていくというビジョンに共鳴したのだ。また、入社翌年に来年上場を控えており、上場というプロセスを経験できると感じたことも大きかったという。
杉元は、イトーキに入社後、最初2年は医薬品業界大手10社の担当営業として走り回り、2年後は大型の開発案件を担当するプロジェクト営業部に配属された。
巨大開発が相次いだ時期で、戦略的に大きく取りにいくプロジェクトチームの一員として、社長、常務のトップ営業の資料作成、交渉現場への立ち会いなどの経験を繰り返しすることになる。トップの気合い、立ち居振る舞いによってビジネスが大きく動く、会食の末席でそれを見ながら、トップとは何かを強く感じる時間となったのだ。
この2年間、起業のことはほぼ頭から消えるぐらい、目の前の仕事のスケールの大きさにワクワクしながら、全力疾走していた時期だったという。
▼田久保の視点
何かに取り組む際は、「やりきった感」を心から感じるほど没入することが大切。さもないと、小さい炎だけが心の中で燃え続け、何となく時間だけが過ぎて行ってしまう。今懸命になれない人が、あす懸命になれる理由はないのではないか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら