生き方を決めた人物との出会い、そして起業の決意
杉元の大学生時代は日本のバブル景気とともにあった。杉元は大学1、2年のとき、飲食店でアルバイトをしていた。
最初は、お酒を出し、サービスを提供するのが単純に楽しかったという。しばらくすると、お酒を出すときに、適切な声をかけるとその人がお店のファンになるリピーターになるという経験が非常に楽しくなっていき、この仕事を突き詰めてやってみたいと思い立ったのである。
思いたったら、すぐに行動に移すのが杉元。当時の日本バーテンダー協会の理事長を紹介してもらい、その人の経営するバーで働きたいと直談判したのだ。
その店で、杉元は運命の人(以下S)に出会う。Sは企画会社を経営する起業家で、そのお店の常連のお客さん。懸命に働く杉元のことが気に入り、いろいろ声をかけてくれたのである。当時20歳の杉元は、Sの立ち居振る舞い、仕事に対する姿勢などから大いなる刺激を受けたのだ。当時を振り返り、杉元はこう語る。
「Sさんからは本当にたくさんのことを教えてもらったが、自分の人生に最も大きな影響を与えたことは『目標のない人生なんてつまらない。目標ない人間なんて、洋服を着た犬と一緒。何のために生きるのかを真剣に考えることが大事』だということでした」
この時、杉元は純粋なSへのあこがれから、自分もSが起業した28歳になったら起業しようと決心した。
▼田久保の視点
ロールモデルを持つことは非常に大切。私も、数多くのビジネスパーソンと経営大学院で接する中で、具体的に目指すべき方向性が明確な人は、自己成長に貪欲で実際に伸びてくことを実感している。
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