Facebookの通貨「リブラ」に世界が震撼した理由 価格変動しにくい仮想通貨は何を目指すのか
リブラについてフェイスブックは、金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)に貢献するという社会的意義を強調しているそうだ。金融包摂とは、金融サービスを受けられない人に対し、新たに金融サービスにアクセスできるような環境を整えることである。
しかし先にも触れたとおり、フェイスブックのリブラ発行計画に対しては世界中の金融当局やアメリカ議会から、強い警戒の声が噴出している。
また、アメリカの反トラスト法(独占禁止法)の適用を視野に入れた司法当局の捜査の手も着実に伸びつつある。米議会においては、フェイスブックを含む大手プラットフォーマーであるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の解体を主張する意見も出ているというのだ。
つまり、逆風の渦中にあることは間違いない。それを理解したうえで、フェイスブックはあえてグローバル規模でのデジタル通貨の発行、そして新たな金融分野への参入を実行しようとしているのである。
だとすれば、多くの批判を浴びるであろうことは必至だ。にもかかわらず、フェイスブックはなぜこのタイミングでリブラの発行計画を公表したのだろうか?
迫られるビジネスモデルの修正
フェイスブックが2012年に発表した5つの経営理念は、①影響力を重視(FOCUS ON IMPACT)、②迅速に行動(MOVE FAST)、③大胆であれ(BE BOLD)、④オープンであれ(BE OPEN)、⑤社会的価値を築く(BUILD SOCIAL VALUE)の5つ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら