ホークス一筋15年だった仕事人が送る快活人生 城所龍磨、2019年から球団職員として再始動
城所龍磨は子どもたちの夢をかなえる手伝いをしている
現役時代と同じユニフォームを身にまとった男が、温かいまなざしを子どもたちに向ける。だがその男は、もはやプロ野球選手ではない。今の職業は少年野球の指導者。無我夢中で白球を追う子どもたちが夢を叶える手伝いをする立場だ。
1年前、惜しまれつつもプロ野球選手としてのユニフォームを脱いだ城所龍磨。現在は球団職員となり、NPO法人ホークスジュニアアカデミーの野球教室で汗を流す。
「教える側もいることはわかっていたので、いつか子どもたちにも野球を教えられたらいいなと思っていました」
2018年11月4日、城所は15年間在籍したホークスからクビを宣告された。
「覚悟はしていました。そのタイミングで戦力外通告があることはわかっていたことなので」
それはホークスが2年連続の日本一を決めた、わずか4時間後のことだった。
城所は日本シリーズの40人枠に名を連ね、胴上げやビールかけにも参加していた。歓喜の瞬間から一転、まさに奈落の底に突き落とされた。
ただ、城所自身は意外にもすんなりと気持ちを切り替えることができたという。それは、協力してくれたチームスタッフがいたからこそ。城所は彼らへの感謝の思いをこう語る。
「(2018年シーズンは)開幕からずっと1軍でやらせてもらって、交流戦が終わるころにファームに落ちて。もちろん1軍を目指しながらも、ファームでも気持ちよくやらせてもらったので、後悔はまったくなかったですね」