30歳、プロ野球を3度クビになった男の波乱曲折

引退の中後悠平、横浜DeNAで始める次の人生

2019年11月に現役を引退した元プロ野球選手の中後悠平。2020年1月から横浜DeNAベイスターズの球団職員として新たな人生を歩み出す(写真:TBSテレビ)
華やかなプロ野球の世界。活躍した選手には名誉と莫大な報酬がもたらされる一方で、競争に敗れ、表舞台から去りゆく選手がいる。そんな「戦力外通告」を受けた選手をドキュメンタリーで描いてきたのが、TBSテレビの『プロ野球戦力外通告~クビを宣告された男たち』だ。
12月30日(月)夜10時からの放送回で通算16回目を迎えるこのシリーズ。プロ野球選手の姿は特別な存在ではなく、不況の中では誰の身にも起こりうる“究極のリアル”でもある。放送を控え、番組に関わるサイドストーリーを取材班が3回にわたってリポートする。
第1回は中後悠平(なかうしろ ゆうへい)。横浜DeNAベイスターズから戦力外通告を受け、今季限りでついに現役を退くことを決めた。番組に初めて出演してからはや5年。日米合わせて4球団を渡り歩いた、波瀾万丈の野球人生を語り明かしてくれた。

一人の社会人として新たなスタートを切る中後悠平

待ち合わせたのは横須賀中央駅。年末恒例となったこの取材も4回目となった。ただ今回はちょっと事情が違う。彼はもう、プロ野球選手ではない。一人の社会人として新たな人生を歩みだそうとしていた。

「お待たせしました! 実はさっきまでパソコン教室に行ってきたんですよ」

聞けばこの日が受講初日だという。今後の仕事のために自主的に通うことにした。

「もう基礎中の基礎からですよ。パソコンのボタンの名前とか、部品の名前とか。エクセルやワードやパワーポイントとか、聞いたことがあるだけで触ったことなかったですから。自分で決めたのに、今日のパソコン教室でさえ行くのが憂鬱だったんですよ(苦笑)。でも、百八十度違う人生を歩むんだから、パソコンくらい出来なきゃいけませんからね」

現役引退を発表してから約1カ月。改めてどんな心境なのだろうか。

現役引退後の心境を話した中後悠平。TBSテレビ『プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男たち』は12月30日夜10時から放送(写真:TBSテレビ)

「まだモヤっとしていますよ。すっきりしたことはないし、後悔がないとかありえない。ずっと限界まで野球をやりたいと思っていたし、まだプロ野球選手でいられる話が目の前にあったら100パーセント飛びついてます。それが自分の力のなさで叶わなかったわけですから」

現役続行を望むのであれば、トライアウトを受けるという選択肢もあったはず。だが中後が今年受験しなかったのには訳があった。

「横浜のファームで最も多く投げさせてもらって防御率が良くて、ある程度いいところでずっと投げさせてもらっていたので、イースタン中心に見ている人は見てくれているはずなので、これでダメなら仕方ないって思って」

次ページ中後が二軍で残した特筆すべき成績
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 越湖信一のスーパーカー列伝
  • コロナ後を生き抜く
  • コロナショックの大波紋
  • コロナショック、企業の針路
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ徹底検証<br>日本は第2波に耐えられるか

米国やブラジルでは新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、日本は感染者も死者も圧倒的に少ない。その理由はいったいどこにあるのでしょうか。政策面、医療面から「第1波」との戦いを検証。「第2波」への適切な備え方を考えます。