来年の目標を達成するために今準備すべきこと 「いつかやりたい」は、思わないほうがマシ

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反対に優先度の低い相手だとギリギリに出て遅れる、もしくは、電車が止まっているので今日はリスケで、ということにもなりかねないのです。ものすごく忙しい人にとっては、早く出たくても出られないというやむをえない状況も考えられますが、基本的には、意識が行動を変えるということにほかなりません。

要するに結果を得るためには、今、何をすべきかが重要になってくるのです。

体育会系の学生が企業に人気

実は、企業が体育会出身の学生を欲しがる理由の1つにこれが影響しています。

目標設定に対し、いつまでに何をすべきかを逆算してロジカルに組み立てていくことが求められる仕事では、それを実践してきた人材が結果を出すからです。

例えば、次の大会で、記録を〇cm伸ばす、0.〇秒縮めるとか、予選に通過する、上位〇位までに入るとか、立てた目標に対して、期間や今の自分の状況を鑑みて逆算するということを、繰り返し行います。

まず重要なのは、いつまでにという明確な期限です。「いつか」はありません。もし、いつかと漠然と思っているならそれは、現実味を帯びない目標なので、とりあえず現時点では断捨離の対象です。かえって、やろうと思っていたのにできなかったという負い目が自分を追いつめ自信喪失につながり、できることもできなくしてしまう可能性があります。ですから「いつまでに」の期限を明確にしましょう。

期限が明確になったら、次に重要なのは、今、自分に何が足りないか、何をすべきなのかの状況の把握です。これはとても大切な問題で、現状がわからなければ、やることは明確になりません。

ゴールを設定してもスタートである自分の立ち位置がわからなければ、どのようにそこに進めばよいのか皆目見当がつかないわけです。自分の状況を見失い、夢ばかり追っても、単に道をさまよっているのと同じです。もしかすると途中で何か幸運な出来事が起こるかもしれません。動かないよりは動いたほうがましかもしれませんが、やみくもに動いても達成できる確率は非常に低いです。

壮大な目標を持つのは悪いことではありません。ただ現状を把握することは何よりも大切なことです。

ご自身の生活状況、物理的な時間のスケジュール、健康状態、家族を含めた周りの人との関係性を踏まえ、目標達成のために、今できることを明確にしていきます。考えていくうちに、やっぱり無理だと思うこともあるかもしれませんが、現状を見ることによって打開策も見えてくるのです。

大きな変化は望めなくとも小さな日々の関わりが大事になるので、ささいなことでも今できる地道な努力が必要になります。物事に近道はなく、一歩一歩進んでいくしかないので、毎日できることを目標にしてください。

そして、できない日があってもダメだと思わずに仕切り直していくことが大切です。どうしてもできなければ違う方法を模索しましょう。実際にやってみないとわからないことはたくさんありますし、やったからこそわかること、見えてくることも多くあります。

結婚や離婚、就職や離職、資格の学習、ダイエット、整理整頓、○○依存をやめる、○○を極める、趣味など、さまざまなこれからのことについて「こうしたい」という思いは、それぞれの方がお持ちだと思います。

令和最初の年の瀬に、改めて自分自身の気持ちに向かい合う時間こそが大切なのかもしれません。

新しい年、なりたい自分、やりたいことがかなう1年になりますように。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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