受験生必読!論説文を得意にする「最大のコツ」 「二元論」で考えれば文章が2色に見えてくる

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受験の論説文において出てくる対立する2つの概念は、

「理性・感情」「西洋・東洋」「心・体」「心・物」「科学技術・自然」「多神教・一神教」

といった比較的抽象的なものから、

「明快な文章・含蓄のある文章」(成城中 2011年)
「現在を生きる・過去から未来の歴史を生きる」(成城中 2013年)
「自分1人で楽しく生きる・仲間や家族と生きる」

と具体的なものまでさまざまです。特に「理性と感情」の二元論的な図式は、人間の歴史や、人間の成長、個人と共同体、さらには、芸術がテーマの文章にも広く当てはまります。このテーマについてだけでも前もって準備しておけば、理解できる文章の範囲が大幅に広がるのでお勧めです。このような視点から、どちらがプラスでどちらがマイナスかを先に見当をつけておくことで、文章を正しく読める可能性が飛躍的に上昇するのです。

そのために、とくに論説文では最終段落(もしくはその付近)を先に読みます。そこには、結論(もしくは結論らしきこと)が書かれていますから、「これがプラス、これがマイナス」と「見当」をつけておきます。また、設問も読んで、プラス・マイナスに関する設問があるかどうかも併せて、チェックをしておきます。

さらに、文章を読むときには、この辺りはプラスの事柄の説明、この辺りはマイナスの事柄の説明というように、ざっくりでも印をつけながら読むと、複雑な内容の文章でも2色になりますから、とても理解しやすくなりますし、設問を解く際には、該当の場所を見つけやすくなります。

ただし、プラス・マイナスをつけること自体が目的ではありませんから、そうすることで文章を読むスピードが著しく遅くなる場合は、プラス・マイナスの印は控えめにしましょう。

このように、論説文の主題は二元論で捉えながら読むのですが、設問となっている語句などにもこれは使えます。例えば、「浪費」という言葉について問われていたら、これがプラスかマイナスかを考えるだけで、選択肢を絞ることができたりするからです。浪費という意味を完璧に知らなくても、この言葉が「どうやらマイナスの言葉らしい」ということは、多くの子がわかります。私たちは日本語を使って生活をしていますから、多少の見当はつくものなのです。

プラス・マイナスが明確な言葉に着目する

ではここで、次の論説文で、二元論を実践してみましょう。2011年度成城中学の入試問題で使われた論説文です。本文中に(+)(-)の印をつけながら読んでみます。「著者が何をプラスとしているのか、何をマイナスとしているのか」を意識して次ページからの文章を読んでみてください。

次ページ次の論説文で、実践してみましょう
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