難解な文章をパッと読み解く「超簡単なコツ」 読解力は「あてはめる力」で飛躍的に向上する
このように、ベン図は概念相互の関係を考えるときに役立つものですが、広すぎるベン図は、概念の範囲を示すことができません。つまり文章において、はっきりした定義をしていないということです。
相手を煙に巻くためにベン図を広げることも
政治家の答弁などを聞いていると、「この人はずいぶんベン図を広げるな」と思うことがあります。
カジノ法案を通すために、ある政治家が「日本人をもっと信用しましょうよ」と答弁したことがありました。この政治家に反対したら「では、あなたは日本人を信用していないんですね?」と切り返されるはずです。そうなると反対した人のほうが立場が悪くなる。でも、ベン図で考えると、この政治家の発言がおかしいことがわかります。
本来であれば、ベン図のなかの米粒ほどの範囲「カジノで遊ぶ日本人」を対象に議論しなければならないところを、この政治家は「日本人」と言ったわけです。ベン図を大きく広げて話をしているのです。
相手を煙に巻くためにベン図を広げるような話をする人、例えば、「男性(女性)は皆」「子どもはつねに」などのようなベン図を広げた言い方には、注意が必要なのです。
このようにベン図を思い描きながら新聞を読むようになると、例えばその政治家の発言がどのくらい信用に値するかを判断できるようになります。また、大げさな広告にだまされたりすることもなくなるでしょう。ベン図を使うことで、自分を守ることができるようになるのです。
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