難解な文章をパッと読み解く「超簡単なコツ」 読解力は「あてはめる力」で飛躍的に向上する

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そもそも読解力とは、簡単に言えば「論理的に文章を読み解く」能力を指します。

読解力は、「国語」の成績に関係するだけではありません。数学でも英語でも理科でも社会でも、テストには問題文があります。文章読解力がなければ、これら問題文も正しく理解できないため、あらゆる教科の成績が振るわないということにもなります。

また、話相手の言葉や新聞記事、仕事の資料などの意図を正しくくみ取ることができなければ、日常生活にも支障を来します。

では、読解力をアップさせるにはどうすればいいでしょうか。私は、学生たちや教師・講師に国語の指導をする中で、読解力を高めるために重要なのは、「図式」や「道具」に「あてはめる力」が重要なのだと気がつきました。

算数には公式がありますし、医療であれば病名があります。また法律家も、罪名が決まらなければ、その後の罰も与えることはできませんから、「あてはめる」という仕事が必要です。読解力もこれと同じなのです。

そこで私は、論説文や物語文に当てはめる独自の「図式」や読解を助ける「道具」を編み出し、生徒に教えてきました。これらを使えば、茫漠と広がる読解の世界を、自分の手で再構築することができるようになります。

経産省官僚も間違える文章問題

さて、皆さんの読解力はどうでしょうか?  自信のある方もない方も、ぜひ次の問題に取り組んでみてください。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』にて取り上げられていた、某新聞社の論説委員から経産省の官僚まで間違えたという、難解(??)な問題です。

<例題>
『アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。』
問 この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
“セルロースは(   )と形が違う”
①デンプン  ②アミラーゼ  ③グルコース  ④酵素
(出所:新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』、東洋経済新報社)
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