金融庁が認めた仮想通貨交換所の「ある評判」 最後のみなし業者「ラストルーツ」が登録
兼元氏にAI(人工知能)や医療関連の事業投資案件を紹介するなどしているうちに、松田氏は役員として抜擢され、2018年7月にオウケイウェイヴの社長に就任。現在は会長に退いた兼元氏に代わり、オウケイウェイヴの筆頭株主にもなっている。
若くして実業家の道を順調に駆け上がってきたようにみえる松田氏。しかし、既存の交換業登録業者の中では松田氏のことをいかがわしく見る向きが強く、ラストルーツの登録を認めることに否定的な意見を業界団体幹部が金融庁に伝えていた。
その背景にあったのは、松田氏が「情報商材屋」ではないかとの疑念だ。
30歳で年収13億円を稼ぐ
「会社は赤字続きでとうとう、ボーナスゼロ。『もう俺もリストラか……』。そう思ってました。子どもは3人、勢いで買った新築マンションの住宅ローン、子どもたちの養育費を考えれば、リストラなんて絶望的です。ところが、松田さんの錬金術で、月30万円の不労所得が手に入った!! 人は、死なずとも生まれ変われる!!」
これはあるアフィリエイターが2014年に送信したメールの文言だ。別のアフィリエイター作成の集客用動画に実業家兼投資家として登場した松田氏は、「30才にして年収13億円を稼ぐ松田元さん」「投資で原資50万円を資産13億円に膨らました」などと紹介されていた。
それらアフィリエイターが勧めていたのは、約30万円で松田氏の投資ノウハウが学べるという塾への入会だった。
「1日数分の作業で月に数百万円を稼ぐ方法」など、金儲けのノウハウを商品として販売するのが情報商材ビジネスだ。ネットやセミナーを介して近年急速に広まっているが、そう簡単に儲けられるわけもなく、消費者トラブルが急増している。
松田氏は東洋経済の取材に「自分は情報商材屋ではない」と明確に否定。そのうえで「買収していった先の会社にビジネススクールがあり、そこで投資の話をしたらすごく受けた」と説明する。
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