金融庁が認めた仮想通貨交換所の「ある評判」 最後のみなし業者「ラストルーツ」が登録

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松田氏の評価について、自主規制機能も担う業界団体「日本仮想通貨交換業協会」は最後まで否定的なスタンスを貫いた。しかし、登録拒否要件に該当する事項がなかったため、最終的に金融庁は登録を認めたようだ。

ラストルーツの交換業登録前、松田氏はこう強調していた。

仮想通貨界隈に蝟集する情報商材屋

「与沢がダメだ、三崎がダメだ、カズマックスがダメだ、松田がダメだ、それでいいのか。第二、第三の松田元は出てくる。世の中の流れとして、そう捉えたほうがいい」

情報商材ビジネスの象徴的存在といえる与沢翼氏、脱税発覚で転落した「青汁王子」の三崎優太氏、さらにはカズマックスと同列に自分を並べるのが松田氏らしい。

ユーチューバーを筆頭に、SNSなどで多数のフォロワーを持つインフルエンサーが独自の経済圏を作る時代。既存ビジネスの枠外にいるからと、自分のようなインフルエンサーを排斥するようなことがあってはならない、というのが松田氏の言い分だ。

松田氏がインフルエンサーに該当するかどうかはともかく、仮想通貨界隈で台頭著しかったのは情報商材屋やインフルエンサーだ。これらは既存の金融界が一線を画してきた存在といえる。だが、金融庁がラストルーツの交換業登録を認めたことを機にその姿勢を改めることになるのだろうか。

緒方 欽一 東洋経済 記者

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おがた きんいち / Kinichi Ogata

「東洋経済ニュース編集部」の編集者兼記者。消費者金融業界の業界紙、『週刊エコノミスト』編集部を経て現職。「危ない金融商品」や「危うい投資」といったテーマを継続的に取材。好物はお好み焼きと丸ぼうろとなし。

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