なぜ「ナポリタン」が愛され続けているのか

「昔ながらの」が似合う不思議なパスタ料理

こういう看板、時々見かけますよね(筆者撮影)
静かなブームが続いているナポリタン。老若男女問わず、時代を超えて日本人に愛されるのはなぜなのか。ナポリタンを食べ歩いて50年、『ぶらナポ 究極のナポリタンを求めて』を上梓した下関マグロ氏が解説する。

日本人のソウルフード「ナポリタン」が今も人気のワケ

考えてみれば、ナポリタンはつくづく不思議な料理だと思う。

やたらに「昔ながらの」とか「懐かしの」という形容詞が添えられるのはなぜなのか。

お店によっては味噌汁と一緒に出てきたり、キャベツやライスが添えられて提供されたりするのはなぜなのか。

アルデンテではない柔らかい麺、食べるとほっと安心できる味だと感じるのはなぜなのか。

そんなパスタ料理は、ナポリタンをおいてたぶんほかにない。

それらの答えは、ナポリタンが歩んできた数奇な歴史をひも解くことでわかるような気がする。 

そもそもナポリタンは、いつ頃生まれた料理なのだろうか。

世界でのナポリタン発祥についてざっくり書かれているのが、『服部幸應の「食のはじめて物語」』だ。

これによれば、トマトで有名なイタリア南部のナポリ地方では、トマトソースのスパゲティが食べられていた。ナポリからニューヨークに移民した人たちは、おいしいトマトが手に入らず仕方なくケチャップで代用したスパゲティを食べていたのだが、これがおいしいとアメリカ中に広まった。そのケチャップ和(あ)えスパゲティが進駐軍を通じて終戦直後、日本に入ってきたということだ。

なるほど、日本ではナポリタンを注文すると粉チーズとタバスコが一緒に出されるが、タバスコはアメリカで生まれた辛み調味料。名前こそメキシコのタバスコ州の名前がついているが、アメリカの会社が作ったものだ。粉チーズはアメリカ発祥というわけではないが、たいてい日本で出される粉チーズはアメリカのクラフトフーズ社のものが多い。

次ページケチャップ味のナポリタン発祥は?
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT