「腹筋でお腹は凹む」と思う人の大いなる勘違い 有酸素運動から始め、骨盤の傾きも整えよう

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お腹が出る原因は、2層の脂肪がついたことにあります。運動や日常生活での消費エネルギーを飲食による摂取エネルギーが上回ると、まず内臓周りの空間を埋めるように内臓脂肪がついていきます。さらに筋肉の上にまで皮下脂肪が乗っていくと、お腹の厚みはどんどん増してしまう。腹部の筋力が弱くなったからお腹が出るわけではありません。

では、どうすれば出ているお腹がへこむのでしょうか。

いちばん確実なのは、お腹の内容物を減らすことです。つまり、ついた脂肪を落とすのです。

腹直筋のトレーニングだけ行うのは、お腹をへこませるという目的に相当な遠周りをしていることになります。その理由は、まず脂肪を落とすために必要なエネルギー消費量が稼げないからです。腹筋運動もプランクも消費エネルギーが小さいため、毎日の習慣にしたところで脂肪はあまり消費できません。

腹筋運動で主に使うのは、太ももやお尻に比べると圧倒的に質量の小さい腹直筋です。ここをどんなに頑張らせても、軽いジョギングより時間当たりの消費エネルギーはケタ違いに少ない。プランクは腹直筋を中心に全身を少し使いますが、負荷が低く動きもないため消費エネルギーを稼げません。お腹の脂肪という内容物を減らす手段としてはお勧めできないのです。

しかも腹直筋は、お腹の正面を縦に一部分覆っているだけですから、お腹全体を引き締める効果も期待できません。例えて言うなら、空気の入った風船を手のひらで押さえるようなもの。押さえた部分の周りにお腹の内容物が広がるだけです。こうした種目に割くエネルギーがあるなら、ほんの少しでも食事を改善するなり有酸素運動で脂肪を減らす努力をするなりしたほうが、はるかに効率的です。

動かした部分の脂肪が使われるわけではない

お腹をへこませたくて腹筋運動をする方は、動かしている部位の脂肪が直接的に使われるとイメージしていることも多いようです。しかし人間の体には、動かしている部分の近くにある脂肪だけをエネルギー源とする仕組みはありません。

例えばフルマラソンの選手や陸上トラック競技の選手たちは脚を酷使しますが、彼らの脚だけが皮一枚になるまでやせて棒のようになっているかというと、そんなことはないですよね。ランニングなどをすると下半身の筋肉がついて心肺機能が上がるだけでなく、顔も体も引き締まってお腹までへこむのは、以下の仕組みが体に備わっているからです。

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