26歳既卒「夢追いバンドマン」が掴んだ逆転人生

「就活ひきこもり」はこうやって脱出できる

配達方法は昔ながらの岡持ちスタイル(箱に入れて自転車で配達)。ケーキを運ぶ容器が透明だったことでデコレーションされたケーキは丸見え、それを運んでいるバイトは「赤髪」だったので、とても目立ったという。

ただ、目立ちたがり屋の佐藤さんとしては、気持ちのいい仕事で、「キツいのは、坂の多い六本木で自転車を漕ぐつらさくらい」と振り返る。バイト代も高額で、月に25~30万円程度と、大学の同級生の初任給よりも稼げたという。「バイト仲間も同じようなバンドマンやお笑い芸人だったので、気が合う人たちばかりの最高の職場でした」(佐藤さん)。

交通事故を契機に就職を考える

しかし、楽しいフリーター生活も配達中に交通事故に遭ったことを契機に終わりを告げる。「俺、何やってんだろう。就職しないと」と、就職活動を始める。

当初はハローワークで職を探し始めたが、事故の影響で腰を痛めているにもかかわらず、建設現場の仕事などを紹介されたため、利用をやめた。「26歳で、就業経験もない自分には肉体労働しかないと言われた。卒業後の空白期間があると、こんなにも就職が難しくなるのかと痛感しました」(佐藤さん)。

肉体労働以外の仕事を探すために、民間の就職エージェントの利用も開始。ネットで見つけた既卒専門の就職エージェントにもいくつか登録した。その中で、出会ったのがUZUZだった。

キャリアカウンセリングのために会社を訪れた際、ハードロックなファッションに長髪という恰好だったと振り返る佐藤さん。「今思うと、完全に就職活動をナメている格好。でも、担当してくれたキャリアカウンセラーの方は、私を見た目で判断するのではなく、しっかりと私の話に耳を傾けてくれ、どんなことを考え、望んでいるのかを真剣に聞いてくれた」。

ハローワークのときとは違う対応に、自分らしく、希望をかなえられる就職ができるかもしれない、と期待を持ったという。

求人を紹介する際に、「未経験から専門性を身に付けられ、ニーズがある仕事は2種類。1つはITエンジニア、もう1つは営業」と告げられる。そこで佐藤さんは、「パソコン使えるのでITで」と即答する。バンドでベースの演奏を担当する以外に、ライブ映像の作成や編集も行っており、PC関連機器の扱いには慣れていた。たいしたスキルではなかったが、ITエンジニアのほうが仕事のイメージをしやすかったという。

選考を受けるまでに、「髪の毛を切ること」「面接ではスーツを着用すること」と釘を刺されたので、その日のうちに就活用のスーツを買って、髪の毛も切った。そして、自分の希望条件を満たしていたIT企業を2社受け、無事に内定を得る。就職活動期間は1カ月かからなかったという。

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