26歳既卒「夢追いバンドマン」が掴んだ逆転人生

「就活ひきこもり」はこうやって脱出できる

入社した企業では、入社前の住み込み研修でCCNAというシスコ社が認定するIT専門資格を取得、その後、クライアント先に常駐する形で就業する。先輩社員と3人体制のチームを組み、ITインフラ(ネットワーク、サーバー)の運用や保守、構築といった仕事に携わった。

社会人として初めて一緒に働くチームメンバーは、28歳のチームリーダーに、40代のベテランエンジニア、そして資格取得直後の佐藤さん。中でも、40代のベテランエンジニアは社内でも神格化されるほどの技術の持ち主で、クライアントの管理職からも絶対的な信頼を得ていたという。

「正直、なぜこれほど優秀なチームに新人の自分なんかが配属されたのか疑問でしたが、配属から数日後にベテランエンジニアからの指名が理由だったことを知りました。社会人として出遅れていた自分にとって、誰かに期待されることがうれしく、何もできないけど食らいついて仕事をしようと、がむしゃらに仕事に取り組んだ」(佐藤さん)

優秀なベテランエンジニアが配属されるほどの仕事ということは、特殊かつ非常に難易度の高い仕事ということを意味していた。朝9時から夜の10時まで現場につめる仕事は、同時に入社したメンバーの中でも、最も過酷な環境だったという。

エンジニアから営業に転身

「半年かけて仕事をやりきることができた。当時は不平不満などいろいろと思うこともあったが、今となってはあのときの過酷な経験があって、急激に成長できたのだと思っている」(佐藤さん)

そして、1年半ほど経過し、ITエンジニアとして一人前と言えるようになってきた頃、転職の誘いを受ける。

その会社は、未経験者をITエンジニアとして採用し、研修させたうえで、クライアント企業に派遣するSES(システム・エンジニアリング・サービス)事業を行っているベンチャー。会社から提示されたポジションは、「ITエンジニア」ではなく「営業職」だった。

「このとき、キャリアカウンセラーに「営業職も向いている」と言われていたことがフラッシュバックし、SESの営業であれば自分のエンジニアとしての経験を生かしつつ、さらに営業力を身に付けることができると考え、新たなチャレンジを決意した」(佐藤さん)

転職前の会社は1000人を超える大企業グループで、もっと小さい会社に移り、より成長スピードを上げ、出遅れた分を取り戻したいと思ったことも転職の理由の1つだったと語る。

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