「適応障害」になりやすい人を悩ませる循環気質

ストレスに起因する適応障害が増えている

適応障害は、これらの性格と「外部要因」であるストレッサーとの相互反応です。興味深いのは、性格傾向によって、適応障害の症状の表れ方に一定の傾向が見られることです。それでは、性格によってどのようなストレス反応となるのか、どう対処すればいいかについて、日本人に多い、循環気質を例として見ていきましょう。

人間関係のストレスに弱い循環気質

Cさんは36歳の女性、工作機械メーカーの人事部に所属しています。社交的で、誰とでも打ち解けることができる明るい性格です。世話好きで、心を病んだ社員の面談に積極的に当たるのもCさんで、上司からの評価も上々です。

そんな彼女の悩みは、気分と体調にムラのあることでした。朝、寝起きが悪く、どうにも仕事に行きたくない日があります。そんな日は身体が重く、本当はずっと寝ていたいのに、迷惑はかけられないからと、身体に鞭打って出かけます。

表面上は活発に振る舞っていても内心はヘトヘトで、トイレで思わず涙することさえあります。そうかと思うと、昨日までの憂うつが嘘のように、気分が爽快で身体も軽く、活発に仕事をこなし、心から会話や仕事を楽しめるときもあります。

Cさんが心身の不調を来すようになったのは、異動により新しい上司が赴任してきてからでした。それまでの温和な上司と違って、体育会系のこの上司は、歯に衣着せぬ物の言い方で、部下にミスがあれば容赦なく指摘し、時には罵倒さえします。Cさんに対しても、「今のままではだめだ」「考え方が甘いんだよ」などと遠慮なく言ってきます。

それを聞かされているうちに、Cさんは、今までやってきたことのすべてを否定されたような気持ちになってきました。納得できず、何度となく話し合いを持ちましたが、上司に反省の色はありません。同僚や先輩は「気にしなければいいのよ」と言って慰めてくれますが、どうしても受け入れることができません。

とうとうCさんは、ハラスメントだとして経営陣に訴えました。経営陣は耳を傾けてくれ、調査が行われました。しかし、上司の言動は叱咤激励であり、ハラスメントには当たらないとの判断でした。

なぜなら、それは誰に対しても行われている言動であり、ことさらCさんがターゲットになっているわけでないうえ、ほかの社員からのクレームもないからというものでした。ショックを受けたCさんは、これを境に、不眠、抑うつ、意欲低下、食欲不振を発症し、会社に行こうとすると吐き気や頭痛に襲われ、出勤できなくなってしまいました。

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