第2回 優れたパフォーマンスを発揮できる思考とテクニック

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気持ちを前向きにする方法

前回の投稿で、フェデラー選手がアンガーマネジメントを有効活用している事例を挙げたが、アンガーマネジメントのできているテニスプレーヤーは「インorアウト」の判定にラケットを放り投げて抗議することはないし、同じく野球のピッチャーも「ストライクorボール」の判定で血相を変えることはない。
 優れたアスリートは、怒りの態度をとっても自分が冷静さを欠くことが損であることを理解しているからだ。
 やはり、「解決志向(ソリューション・フォーカス・アプローチ)」が肝要なのである。

スポーツでは、焦りや不安はイライラの元となり、感情に乱れが生じやすくなるからだ。
 こんなときは上手に自己暗示をかけて、気持ちを前向きにするためのアンガーマネジメント・テクニックを活用しよう。

「ポジティブ・セルフトーク」
 気持ちを高揚させるために、あらかじめ自分で決めておいた「元気メッセージ」「プラス思考フレーズ」を強い気持ちで唱える。
 不当な判定を受けたことで気持ちが折れそうになったり、忙しすぎてイライラしたときなどに、自分を鼓舞することができる。
 メッセージやフレーズは、「未来完了形」で言い聞かせることがポイントだ。
例えば、「うまくいきたい」と思う気持ちの中には「うまくいかなかったら、どうしよう」という不安を含んでいるものだ。すると脳が不安を察知し、身体がこわばってしまい、ベストなパフォーマンスを発揮できなくなる。
 未来完了形は「うまくいくぞ!」 こう力強い言葉で自分を激励することで、イライラの元にもなる不安を解消させられる。

「ポジティブ・モーメント」
 気持ちが沈み、不安からイライラしそうなとき、過去の成功体験を思い出すのだ。すると、前向きな気持ちにリセットし、心配事がうまくいくことをイメージできる。これが擬似的成功再体験だ。
 成功した瞬間を思い出すことで、喜びあふれる自分、前向きな自分からヒントを得ることができる。
 例えば、勝利の瞬間を思い出したり、自分の調子のよかったときをイメージしたり、厳しい練習をやりとげた達成感を思い出し、テンションを高めよう。

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