ユニクロ、米国やアジアで現地対応商品検討 「世界共通」守りつつも、現地化の必要性
[東京 25日 ロイター] -ファーストリテイリング<9983.T>が運営するカジュアル衣料「ユニクロ」は、グローバル化を進めるため、現地対応の商品の検討を進めている。
世界共通商品というこれまでのコンセプトは基本としつつも、地域ごとに必要とされる独自商品も、提供する必要があると判断。米国人によりフィットする商品や、アジアでは、より安価な価格設定の商品などを検討している。
米国人にフィットする商品も
国井圭浩・グループ上席執行役員(生産統括責任者)は25日、ロイターとのインタビューで、米国でのサイジングについて「どうやってフィットさせていくかはチャレンジで、これから手掛けていかなければならない」と述べた。
現在でも、長さなど最低限必要なサイズのアジャスト(調整)は実施しているが「もう一段階上でフィッティングを高める。3D的に、立体的にフィットするように変えていくこと」を検討しているという。
ただ、米国の消費者もひとくくりにはできない。実施時期については「最大公約数のサイズ設定をどうするか、というところで時間がかかるが、やらなければならない。できるだけ早くしたい」と述べた。
ユニクロのコンセプトは「Made forall」―――。地域ごとの独自商品を増やし過ぎると、このコンセプトに反することになる。このため90%程度はこれまで通り世界共通商品とする方針だ。
国井氏は、今年のファーストリテイリングのスローガン「global is local local isglobal」を挙げ「テーマは同じ。二律背反の課題にどうやって取り組むかということ」と話す。こうした取り組みは「真のグローバルカンパニーになるために見えてきた課題。これまでよりもう一段階上の課題だ」という。
米国でユニクロは現在、17店舗を展開している。郊外ショッピングモール中心に出店を進め、年間20―30店舗の出店を計画。数年内に100店舗を目指している。
欧米での展開については「ファッションの先輩、先端は欧州やニューヨーク。ここで認められることは、アジアでのビジネスにとっても重要」と位置付けた。
Life WEAR としての必要性
「例えば、イスラム圏ではなくてはならないLife WEARがある。そういうものは地域独自の商品として提供する」―――。ユニクロが「LifeWEAR」を掲げる以上、民族衣装など、その地域で生活するにあたって欠かせない商品も必要となってくる。
さらにアジアでは、首都以外でも店舗が広がっており「消費者が衣料品に使える金額も変わってくる。同じプライスレンジでやっていてはLifeWEARになり得ない」とし、ユニクロのクオリティーを保ちつつも、より安価で提供する商品を取り扱うことを検討しているという。
こうしたニーズは、同社が最大市場とする中国でも「十分に需要があると思う」としている。
(清水律子 Chang-Ran Kim 編集:田巻一彦)
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