中小企業向けモラトリアム問題、楽観的な劇薬投与は過剰な副作用を生む



 ベタ貸しは廃されたが、その後も資本基盤の脆弱性という中小企業の事情はそのまま残ったのが実情。そうした問題を抱えて深刻な不況に再び突入し、中小・零細企業が困窮しているのが今である。

「返済猶予だけではなく、その間に景気が回復することが不可欠」ということは、今さらいうまでもない原理原則である。しかし、それだけではなく、中小・零細企業への返済猶予には、クリアしなければならない条件が少なくない。

それらの条件をクリアせずに、いたずらに元本・利払いの返済猶予というようなことになれば、社会に混乱を誘発し、自己規律が利かない事態にもなりかねないリスクがある。

中小・零細企業に対する支援策は欠かせないが、楽観的な劇薬投与はあまりにも副作用が大きいことを認識しなければならない。

(浪川 攻 =週刊東洋経済))

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • ほしいのは「つかれない家族」
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日本企業は米中の板挟み<br>全解明 経済安保

先端技術をめぐる米中の争いは日本に大きな影響をもたらします。海外からの投資は経済を活性化させる一方、自国の重要技術やデータが流出し安保上のリスクになる可能性も。分断の時代に日本企業が取るべき進路を探ります。

東洋経済education×ICT