英国人の階級意識に火をつけた衝撃レポート 16万人参加、700万人アクセスの新階級調査

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人間は階級が気になって仕方がない生き物です(写真:タカス/PIXTA)
イギリスBBCが実施し、イギリスで過去最大規模となった階級調査がある。16万人が参加し、大きな議論を呼んだこの調査をもとにBBCが公開したウェブ上の「階級算出装置」には、イギリス成人の5人に1人に当たる700万人がアクセスしたという。
調査が公表された後、劇場チケットの売上が突然激増するなど、イギリス人の行動を劇的に変えた話題の調査結果が、『7つの階級:英国階級調査報告』というタイトルの書籍として翻訳出版される。その本の一部を、抜粋・編集してお届けする。

社会階級の新しい7つのモデル

私たちは英国階級調査と、それを補完する調査にもとづき、21世紀の新しい社会階級を提示した。その最初の分析はメディアに広く取り上げられ、学問の世界でも大きな議論を呼んだ。

『7つの階級:英国階級調査報告』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

これまでの上流、中流、労働者という階級分類とは違う、階級についての新しい視点を提示するものだと思われたからだろう。

私たちは、まず、調査参加者や回答者たちの経済資本、文化資本、社会関係資本の3つの資本の蓄積量を測定した。

各資本の測定には世帯所得、貯蓄、住宅資産などの経済資本の量と、高尚な文化資本と新興文化資本のスコア、社会的紐帯の数と状況に関する情報をデータとして使用した。

そして測定値をグループ分けして、その組み合わせによって表れる特徴的な社会階級を見つけ出した。

以下が、私たちが考案した7つの階級の名称である。

エリート(すべての資本を多く持つ、人口の6%)
確立した中流階級(エリートの次に3つの資本が多い、同25%)
技術系中流階級(比較的裕福で、社会関係資本が少ない、同6%)
新富裕労働者(比較的裕福で、文化資本が少ない、同15%)
伝統的労働者階級(3資本どれも少ないがバランスはいい、同14%)
新興サービス労働者(若く貧しいが残り2つの資本は豊か、同19%)
プレカリアート(すべての資本に恵まれない、同15%)

 

7つの階級は、上に示したような順序でヒエラルキーを形成しているわけではない。「技術系中流階級」を「新富裕労働者」の上に置いたが、根拠はない。便宜上、経済資本の順位によって並べることにした。他の資本と比較して、経済資本の分配が最も不平等だからだ。

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