英国人の階級意識に火をつけた衝撃レポート 16万人参加、700万人アクセスの新階級調査
「確立した中流階級」の所得は「技術系中流階級」を上回り、「エリート」の次に裕福な階級であることに異論はなかろう。
「技術系中流階級」は「新富裕労働者」よりも所得が多い。「新富裕労働者」の下の「伝統的労働者階級」と「新興サービス労働者」の経済資本はどちらも多くないが、この2つの階級間では、所得と住宅資産のバランスに大きな相違がある。そして、他の階級と顕著に違うのは、エリートとプレカリアートだ。
超富裕エリートと最下層プレカリアートの格差
エリートの所得は、経済資本のランクでいうと2番目の「確立した中流階級」の約2倍だ。住宅資産と貯蓄の額も群を抜いており、美術館、ギャラリー、クラシックのコンサートに行くなどの「高尚な」文化資本のスコアも最も高い。加えて、エリートは社会的ネットワークに恵まれている。それは多くの場合、社会的地位が同等に高い者同士のネットワークだ。
私たちが提示するイギリスのエリートの数は人口の約6%で、多くの評論家が特定する「1%」とはやや異なり、かなり大きな割合を含めている。ダニー・ドーリングやトマ・ピケティが指摘したように、超富裕層と呼ばれる人々が経済力で他を大きく引き離しているのは間違いない。だがもう少し人数の大きいグループも他の階級の人々より際立って有利な立場にあることを見失ってはならない。
一方、エリート階級とは正反対の、社会の底辺に位置するのが、人口の15%にあたるプレカリアートだ。私たちはこの用語を経済学者ガイ・スタンディングから借用した。彼は「プレカリアート」、すなわち「不安定な(プレケリアス)プロレタリアート」の現状を改善するためにさまざまな活動を行ってきた人物である。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら