あのバフェットが投資する米国高級家具の正体 差別化したブランドを確立したRHのすごさ

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店舗は宮殿、高級ホテル、美術館のような豪華な建物で、「ギャラリー」と呼んでいる。リースした物件を独自にデザインして改修するモデルだ。旗艦店のニューヨーク(トップ写真)は廃墟同然の建物を、中央にガラス張りのエレベーターを設置したユニークなデザインで仕立てた。ニューヨークだけで年間1億ドル以上の収益を稼ぎ出す。

そのほかシカゴ、ハリウッド、ボストンなどアメリカの主要都市を中心に70店を展開する。カフェや屋上レストランを併設し、富裕層向けに唯一無二の空間を演出するのが特徴だ。さらにアウトレット店を展開しているところも見逃せない。豪華なギャラリーで付加価値の高い商品を売る一方で、倉庫のような簡素なアウトレット店で在庫リスクを軽減しているわけだ。

RHの何が違うのか

こうしてみると、明確なターゲットとコンセプト、それに合わせて定期的に更新される商品やカタログ、店舗づくり在庫管理の工夫。RHはオーソドックスな高級小売店の経営を徹底し業績を伸ばしている。フリードマンCEOは「比べるものがないブランド、オンラインで複製できない顧客体験、コンセプトから顧客まで管理した統一性」を重要なポイントと強調する。

最近の小売業は、Eコマース、SNSに対応しなければアマゾンに負けてしまうという風潮が支配的だ。しかし、RHの例が示すように重要な点はそこだけでない。バフェットは「オーソドックスな経営で差別化したブランドを確立した企業は、アマゾンに簡単に負けないよ」といっているのかもしれない。

※RHは『米国会社四季報2020春夏号』(2020年4月発売予定)に掲載予定。
山谷 明良 東洋経済データ事業局

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やまや あきら / Akira Yamaya

2005年、東洋経済新報社入社。編集局で『会社四季報』『週刊東洋経済』の記者、データ事業局で『財務情報』『大株主』『日本の企業グループ』のデータ編集を経て、『米国会社四季報』編集長を務めた。

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