アメリカ発の「代替肉」が気づけば急拡大の予感 植物から肉を製造・販売する企業に注目集まる

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ビヨンド・ミートのハンバーガー、ビヨンドバーガー(写真:Beyond meat)

2019年のアメリカにおける株価は、ここまで一進一退の推移が続いている。昨年末の急落から反発、年初から再び上昇基調が続いたが、5月の対中制裁第3弾発表を受け下落。程なく反騰し年初来の高値を更新したものの、制裁第4弾を発表した8月には再び下落するなど、米中貿易戦争が大きく影響した格好となっている。

東洋経済では『米国会社四季報』を年2回刊行している。最新刊となる2019年秋冬号がこのほど発売となった。

『米国会社四季報』2019年秋冬号。書影をクリックすると東洋経済のストアサイトにジャンプします

アメリカの上場企業数はNYSE(ニューヨーク証券取引所)が約2300社、NASDAQが約3000社あり、日本の約3700社をはるかに上回る。今号では、代表的な指標であるS&P500指数の採用銘柄を中心に(REITは除く)、知名度の高い企業や、注目企業、話題の新興企業なども含めた687社を掲載している。

何かと話題のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)やコカ・コーラ、ナイキなど日本でもよく知られているグローバル企業から、独自の技術やサービスを持つ新興企業まで、幅広いニーズに対応できるよう厳選。誌面では、各企業の事業内容のほか、業績(実績、予想)や財務状況、5年分の株価チャートなどを掲載している。

昨今は、低金利の長期化や日本企業と比べたパフォーマンスのよさなどから、米国株投資への関心が高まっている。編集部では、毎号の発売に合わせ、注目の業種や話題のテーマなどさまざまな切り口から追加の情報を紹介している。今回は、これから成長・拡大していくとみられるテーマ・商品・サービスを取り上げていく。

ビヨンド・ミートが急成長

毎年、新しい企業が続々と上場を果たす米国株市場。そんなIPO市場において、今年最も話題となったのがビヨンド・ミート(BYND)の上場ではないだろうか。

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツやハリウッドスターのレオナルド・ディカプリオといった著名人が出資していることに加え、IPO価格25ドルに対し、今年5月2日の上場初日は終値が65.75ドル、その後上昇を続け7月末には239ドルと、当初の10倍近くにまで達したことで一気に注目が高まった。

同社は2009年に設立された企業で、植物由来の材料を使用した代替肉を製造・販売する企業だ。「ビヨンドバーガー」や「ビヨンドソーセージ」などの商品を展開しており、世界中の5万3000以上の小売店、レストランなどで販売されている。

ビヨンドソーセージ(写真:Beyond meat)

同社の資料によると、主力商品の「ビヨンドバーガー」は、エンドウ豆、緑豆、コメの組み合わせで、完全なタンパク質、肉の味と食感を再現し、霜降りに見立てた脂肪分はココナッツオイルとココアバターで、赤い色はビーツで再現しているということだ。

また、遺伝子組み換え作物はもちろんのこと、大豆やグルテンも使用していないという。

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