メルカリの調査によると、フリマアプリ利用者のうち「新品を購入する際にリセールバリューを考えるようになった」と答えた割合は、「よくある」「たまにある」を合計すると6割にも上る。どうせ買うなら、確実に売れるものを選ぶというのが、経済合理性として正しいのだろう。その結果、普段買うものよりも高いもの(=人気があり中古になっても確実に売れるもの)という発想になるわけだ。
そしてフリマアプリがはやれば、リアルの店の売り上げを食ってしまうと思いがちだが、さにあらず。この調査の記者発表時には、失敗したら売ればいいとの気持ちで衝動買いが増えるのではないかとか、将来リアル店舗では商品の値札だけでなく「この商品はメルカリで〇〇〇円で売れています」という電子タグをつけてアピールする店が出てくるのでは、というような話も飛び出したが、もはや冗談ではないかもしれない。
普段、自分が買うより高額のものでも、売れる額がある程度予想できていれば、実質的に支払うのはその差額でいい。これは所有するために買うのではなく、“利用料”という感覚だ。そこには使えるお金が限られているからこその知恵が垣間見える。
極端な話、購入した服を着て撮影し、それをインスタにあげて「いいね」をもらったら売る「ワンショット消費」すら、20代の利用者にはよくある話らしい(1回だけの利用でフリマアプリ売った経験がある20代は7割もいた)。
高級品は「認知と人気」が価格を左右する
「自分がほしいものよりも、他人がほしがるものを買う」というのは、中古市場の鉄則だ。リセールバリューを把握するには、今は何が人気なのかという市場調査が欠かせない。
筆者は高級ブランドリセール市場に興味を持ち、ブランド質屋の店頭をあれこれ回ってみたことがあった。おかげで、ちんぷんかんぷんだった高級腕時計の名前も少しは読めるようになり、「ウブロ」の頭文字がUではなくHということも知った。
そんな中、店頭での雑談で聞いたところでは、やはり腕時計ならロレックスがダントツの人気、不動の地位だという。ほかの高級時計と比べても知名度とブランド力はこれに勝るものなしだそうだ(むろん、ロレックスの中でもシリーズによって人気も中古の流通価格にも差はあるが)。
筆者の持論である「知る人ぞ知る、より、誰もが知るが間違いなし」という観点に立てば、ブランド品に興味がない人でもロレックスと聞けば高級時計だよねと「万人に知られている」ことこそが最強なのだろう。
ブランドバッグも同様だ。人気のトップスリーは、エルメス・ヴィトン・シャネルの、これまた誰もが知っているハイブランド。ただし、バッグの場合は少しややこしい。
このところ女性の間ではミニサイズのバッグが人気だったので、例えば同じラインの中古バッグで中サイズと小サイズがあったりすると、小サイズのほうに高い販売価格がついていたりもすることも。もちろん色や製造年代でも違う。販売価格を見ていれば、今どんなブランドのどのライン、どの色やサイズが人気なのか、ざっくりわかるはずだ。
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