2019年の流行語大賞は「ONE TEAM」に決まったが、マネー関係者には「老後資金2000万円問題」という言葉が圧倒的に印象に残った1年だったのではないだろうか。金融機関はじめ経済の専門家やFPの方々は、このキーワードに振り回されたり、お世話になったはずだ。
個人差はあれ、老後を公的年金だけで暮らすのはしんどいだろうというのは事実だ。内閣府の「令和元年版高齢社会白書」によれば、65~69歳の就業率は約47%と5割近く、70~74歳でも3割の人が働いている(2018年の数字)。
民間のアンケート調査でも、いま働いている理由は「現在の生活のためにお金が必要だから」「老後資金のために貯蓄する必要がある」と答えた割合が全体の7割近くにも上っている(アデコ調べ。60~64歳の男女200人と 65~69歳の男女200人の計400人が調査対象)。いくつになってもお金は大事、もとい老後がちらつく年齢になればなるほど、より大事になってくるのだ。
自分が持つスキルをシェアしてお金に換えるという手段
加えて言うなら、数千万円の貯蓄があれば末永く安心というわけでもない。自分の資産が日々減り続けるという状況は不安しか生まないものだ。僅かであっても、収入を得る手段が何かほしい。とはいえ、若い世代に頭を下げて新しいことを覚えるのもなかなかしんどいので、これまでのキャリアを生かした仕事ならありがたい……というのも人情だ。
そんな都合のいい話があるだろうかと思うが、これがないでもないらしい。そのヒントが、最近よく聞くシェア=シェアリングエコノミーだ。
「シェア」というと、カーシェアや民泊といったイメージが強いが、実は物的シェアだけでなく、自分が持つスキルを提供して対価に換えるスキルシェアという手段もある。スキルといっても特定の資格者が持つ専門スキルや最新ITスキルだけが求められているわけではない。これまでの企業勤めの経験そのものがお金に換えられる手段が、シェアの形で生まれているという。
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