空いている空間をシェアしてお金に換えるという方法も増えている。駐車場シェアなどもあるが、ユニークなのが子どもが独立して自宅の部屋やクローゼットがあいているという場合、そこを収納スペースとして貸し出すというサービスだ。
収納シェアを手がける「LIFULLトランクルーム」の場合は、サイトにホスト(提供者)が提供できる空きスペースを掲載し、使いたい人が申し込むという場を提供している。
収納スペースとして提供するのは広さ1畳からでよく、月額いくらで貸し出すかはホスト側が自由に値付けできる。自宅周辺の専門業者より低い金額で貸せば、客も集まりやすいだろうから、値付けがカギともいえるだろう。こちらも収納スペースの掲載自体は無料で、利用者が現れたらその使用料から一部手数料が差し引かれる仕組み。目安として渋谷区で1畳あたり月1万1000円(税込み)で貸した場合、手数料を除いた利益は1年間で9万2400円になるという。
今後ますます深刻化しそうな空き家でも、マネタイズのチャンスはある。家や部屋を時間貸しスペースとして活用する方法だ。
貸したいホストと借りたいゲストのマッチングを行う「スペースマーケット」では、古い戸建ての一室をレンタルスペースとして登録し、収益を上げている利用者もいる。畳敷きの和室は、コスプレ撮影会や仲間内の勉強会にも人気だという。スペース貸しは、丸ごと賃貸物件に出すよりは気軽で大がかりな改修の必要もない。中には住みながら自宅の一室を貸しているホストもいるのだとか。
時間貸しの料金はホストが決定し、スペースによって1時間数千円~数万円。月の売り上げが10万円単位になるホストもいるようだ。登録は無料で、貸し借りが成立したら「スペースマーケット」に手数料が入るというスキームだ。心配なのは貸した際に起きる破損などのトラブルだが、保険も用意されている。ホストが利用規約をカスタマイズして使用目的を強く制限したり、貸り手との事前のやり取りを見て断ることも可能だという。
なお、どのサービスでも一定の売り上げが生じると確定申告の必要が出てくるので、そこは忘れずに。
「自分の何がお金に換えられるのか」という発想が大事
人生100年時代は長い。その間、どうやってお金の不安を解消するかは誰もが持つ悩みだ。会社勤めをしていても、アラフォーあたりになってくると今の職場でのゴールが見え始める。給料は増えそうにないが、とはいえ転職しても現状よりよい条件は望めなそうにない。この先、定年まで、いや定年後も持続可能な収入源がほしい。そのためにも、「自分の何がお金に変えられるのか」という発想を持つことが、今後は大事なカギになる。
高配当の金融商品を保有したり、投資用マンションを買うだけが、インカムを得る方法とも限らない。投資に回す手元資金がなくても、これまで積み重ねてきた仕事の経験や知識、マニアックな趣味、自宅や周囲の環境などが、発想次第でお金を生む種に換わる時代が訪れる。そう考えると、誰にも稼ぐ武器とチャンスが与えられているといっていい。シェアは新しいサービスだけに、今は想定されていないトラブルも起きうるが、成長の可能性は感じられる。
もう一つ肝心なのは、適正な「値付け」だろう。提供できるスキルやサービスが、はたしていくらの金額なら買い手がつくのか。それを考えて試行錯誤するのも面白い。ビジネスパーソンなら、いくらコストをかけて売り上げを増やし、利益を確保するかも仕事感覚で楽しめるのではないだろうか。こう考えると、現役中でもリタイア後でも、サブ収入確保の道は開けそうではないか。
ちなみに、筆者ができそうなスキル提供といえば都内激安ショップ巡りツアーだが、はたしてお客は集まるやら?
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