お金が貯まる人があえてブランド品を選ぶワケ "節約の概念"が変わり始めている

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売るのではなく、貸すという方法もある。高級ブランドのバッグを毎月数千円で借りられるサブスクリプションサービスが台頭しているが、そこに手持ちのブランド品を貸し出してレンタル料を受け取ることもできる。

こういうサービスが増えてくえば、初めから「貸す」という目的で、貸せるものを買うという発想だってあるだろう。その場合も、貸し出しに人気のブランドやシリーズを把握しておくことが第一歩だ。人気がなければ借りてもらえず、当然お金は入らないからだ。

ただし、受け取れるレンタル料と購入代金を比較すると、元を取るのは容易でない。数十万円もする品物を知らない人に貸せるのかという心配も起きる。事業者のセキュリティー対策や補償をしっかり確認したほうがいい。

とはいえ、なぜ金持ちと言われる人たちが高級ブランドを買うのか、だんだんわかってきた。質のよいものを身に着けたいから、財力をさりげなく自慢したいから――そんなふうに思っていたこともあるが、そうでない。多分、資産になるものしか、彼らは買わないのだろう。

価値が大きく損なわれないもの、取引の市場が確立されているもの、いつの時代でも人気が変わらないもの。さらには景気が上がれば金回りのよくなった人が欲しがり流通価格も上がるもの。ロレックスのデイトナやGMTマスター、エルメスのバーキンは、いざという時に一定のお金に換えられる預金代りでもあるのだろう。

もし、金に糸目をつけずにプレゼントをくれる相手がいるなら、絶対ロレックスの人気シリーズを買ってもらうようお勧めする。

シェアリングエコノミーでも人気は大事

欲しいものより人気があるものを買うという流れで言えば、先日参加した「シェアサミット2019」(シェアリングエコノミー協会主催)でこんな話を聞いた。今は車が高価でなかなか買えない。だったら月額のリースで車を手にし、乗らないときはカーシェアに出し、その間空いている駐車場も時間貸しすることで収益を上げられれば、実質的な自己負担をぐんと下げられるというのだ(リース契約の約款などにより転貸禁止の場合もある)。

シミュレーションで語られた事例では、トヨタアルファードを7年リースすると月額リース料が約5万9000円かかる。自分が乗らない時間はカーシェアに出して月3万9000円を受け取り、さらに空いている駐車場を貸した代金が1万円入ると仮定すれば、負担する金額は5万9000円ではなく1万円で済むという。この場合も、人気の車種であればあるほど借りてもらえるという理屈だ。

シミュレーションどおりにはなかなかいかないとしても、モノを買ってハイ終わりではなく、そのあと売ったり貸したりでコストを下げるという発想がこれからは必要で、その際には「自分よりも他人が欲しがるか」が大事な視点になってくるわけだ。

ちなみに、メルカリでよく売れる大人気ブランドは「ユニクロ」だそうだ。ロレックスは無理でも、こちらなら気軽に買ってもらえそうだ。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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