個人投資家がマーケットに勝ち続ける秘訣とは 投資の神様は株価指数になんと「勝率8割」

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バフェット氏やリンチ氏は「伝説」に近くあまり現実味がないと思えるかもしれません。しかし、日本の個人投資家にも超好成績を継続的に達成している方がいます。

例えば個人投資家のDAIBOUCHOUさんです。一緒にセミナーに出演したり、投資のコツをインタビューさせてもらったりと懇意にさせてもらっています。彼は2000年に200万円ほどで株式投資を始めてわずか4年後の2004年に資産が1億円を超え、いわゆる「億り人」となりました。

資金200万円が4年後に資産1億円超えに

2000年末の日経平均は1万3785円、2004年末は1万1488円ですからむしろ下落しています。マーケットが下落した時期にもかかわらず、彼は驚異的な成績で資産を激増させたのです。

その後DAIBOUCHOUさんは、リーマン・ショックによる相場下落によって一時的に大きく資産を減らしてしまうのですが、その後再び顕著な成績を上げて資産を復活させています。個別銘柄への投資でマーケットに勝って大きく資産を増やす方は実在するのです。

このように「マーケットに勝った」例を紹介すると「バフェット氏やピーター・リンチ氏は機関投資家だからできたことで、DAIBOUCHOUさんもごく一部の例外にすぎない」という指摘がありそうです。

実際にその指摘は当てはまる部分があると思います。例に出したバフェット氏自身が「多くの個人投資家にとってはS&P500(アメリカの代表的な株価指数)に連動する低コストの投資信託を買うのが最も賢い方法だよ」とアドバイスを送っているほどです。

筆者はそう簡単に個人投資家がマーケットに勝ち続けられるとは思っていません。非常に困難さを伴うもので、相当に努力したとしても勝てないという結果もありうると思います。

しかしDAIBOUCHOUさんのように自身で投資法を研究してマーケットに大きく勝利して資産を築くことは可能ですし、彼から話を聞くとその銘柄分析の手法は非常に緻密であり、再現性があるようにも感じます。何よりDAIBOUCHOUさんが200万円の元手で日本株のインデックス投資のみをしていたら絶対に4年間で億り人にはなっていないわけです。

DAIBOUCHOUさんは企業の業績や資産、ビジネスモデルやその儲かる仕組みといったいわゆる「ファンダメンタルズ」を徹底的に研究しています。

以前、ある銘柄について尋ねたところ「この会社の社長は○○の大学を出て✕✕社に就職し、そこでつけたスキルが今のビジネスにつながっている」とスラスラと情報が出てきました。一般的な知名度がほとんどない非常に小さい企業についても即座にそのレベルで情報が出てくるところに、億り人の神髄を見た気がしました。

では、実際にバフェット氏やDAIBOUCHOUさんはどのような手法で株式投資を行っているのでしょうか? 次回はその点を具体的に掘り下げてご紹介します。

益嶋 裕 マーケットアナリスト

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ますしま ゆたか / Yutaka Masushima

マネックス証券株式会社 資産形成推進室長兼マーケットアナリスト兼インベストメント・アドバイザー。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。2008年マネックス証券入社、2013年から同社アナリスト。現在は「日本株銘柄フォーカス」レポートや日々の国内市況の執筆、各種ウェブコンテンツ作成に携わりながら、オンラインセミナーにも出演中。マネックス・ユニバーシティの一員として銘柄分析方法などの投資教育業務にも従事。日本証券アナリスト協会検定会員。

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