「理由なき不登校」に苦しむ子がN高で見た光明 「学校に行けない僕は失敗作」からの転換

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中学卒業後の進路の話が出たのは、中3に入ってすぐのことです。学校には通信制か定時制をすすめられ、親からは「こういう高校もあるよ」と、パンフレットを渡されました。

焦りを感じて自分でもいろいろ探し始めたものの、「毎日、学校へ通うのは無理だよな」と思い、地元に近くて、週に何回か通えばいい通信制の学校を中心に探しました。

N高を見つけたのは、ネットサーフィンしていたときです。学校へ通わなくていいこと、勉強やレポートの提出はネット上でできること、しかも、プログラミングの授業に強いらしい。

僕はパソコンをいじるのが好きで、不登校で家にいるときもYouTubeなどを参考に、パソコンを自作したりしていました。

ハードには自信があったので、N高に入ればソフトウエアにも強くなれるかもしれない。

N高のサイトにはパソコン関連以外にも専門知識やスキルを身に付けたり、資格を取ることもできると書いてあります。

「道は一本だけじゃない。いろいろな道が広がっているんだ!」。そう思うとワクワクした気持ちになり、それがN高へ進学する決め手になりました。

実際にN高に入ってみると、いい意味でぶっ飛んだ子がたくさんいます(笑)。通信制のコースでも、ワークショップやイベントなどで顔を合わせる機会があり、そこで意気投合して友だちになるケースも結構あります。

高校卒業資格を得るためのネット学習やレポート提出も、思っていたより順調に進んでいます。中学のときはほとんど勉強していなかった僕も頑張れば、1年間でゴールできる気がしています。

今の目標は

そのため、N高に入ってからは時間に余裕もできて、目標も見つかりました。僕が不登校時代にいちばんほしかったのは、同じ境遇の友だちでした。

乗り越えないといけない壁はいろいろありますが、今、考えているのは不登校のオンラインコミュニティーをつくること。

そして、それを不登校で苦しんでいる一人ひとりが自信を取り戻せる場所にしたい。それが今の目標です。

あのころの僕に言葉をかけるとしたら、いちばんに「学校へ行かない選択肢があってもいいんだよ」、そう言いたいですね。学校に行くことだけが人生じゃない。

やり方しだいでいろいろな生き方がある。今の僕なら自信を持ってそう言えます。

(聞き手・石井志昂/小山まゆみ)

石井翔(いしい しょう)/中学1年からの不登校を経て、現在はN高校2年生。今ハマっているのは海外一人旅。アルバイトで貯めた資金で、ベトナムとタイでバックパッカーを体験。異国の地でさまざまな刺激を受け、視野が広がったことを実感しているという。

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日本で唯一の不登校専門紙です。不登校新聞の特徴は、不登校・ひきこもり本人の声が充実していることです。これまで1000人以上の、不登校・ひきこもりの当事者・経験者が登場しました。

また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。

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