「理由なき不登校」に苦しむ子がN高で見た光明 「学校に行けない僕は失敗作」からの転換
ところが、中学1年生の5月か6月ごろから、朝になると「ベッドから動きたくない」「外へ出たくない」という気持ちが強くなり、体が動かなくなってしまう……。そこからは完全に不登校になりました。
部活はテニス部に所属し、最初のうちはきちんと行っていました。先輩たちともいろいろな話をして楽しかったけど、学校がおろそかになっているのに部活だけ行くのはどうしても気が引けます。
結果、部活も5月から6月ごろに行かなくなりました。
先生も同級生も恐怖でしかない
当時の僕はとにかく「学校」というワードが嫌でした。集団行動にも違和感を感じました。行事があるごとに体育館に集められ、何回も何回も練習をさせられる。
僕には何のためにやっているのかさっぱりわからなかったし、先生に対しては「なんでこんなことをやらせるんだろう?」と不信感しかありません。
そのころから僕は先生とコミュニケーションをとっていません。不登校になってからは「学校」というワードを出されたくないがために、親とも学校に関する話をしませんでした。
最悪なことに、僕がベッドから動けなくなっているとき、学校の先生が予告なしに僕の部屋に入ってきたことがあります。
それだけでも地獄絵図なのに、結構がっつりと「学校に来いよ!」と言われ、ものすごく嫌だった。
学校に来ない僕を心配して、クラスメイト全員から「学校においでよ」といった内容の手紙が家に届けられたこともあります。でも、当時の僕はそれを受け入れることができませんでした。
不登校になり、家のなかでひきこもるようになってからは、学校の先生にも同級生にも会うのも嫌で、むしろ恐怖感を感じていました。
車に乗って中学校の近くを通るときも、姿を見られたくなくて身を隠したくらいです。
僕の場合、「いじめにあった」「先生に厳しくされた」など、学校へ行かない理由が明確ではありません。
親には「どうして学校に行かないの?」と聞かれましたが答えられず、先生から理解してもらえませんでした。学校の友だちに話しても理解してはくれませんでした。