ファッションショーが”超高コスト”な理由 モデル代、舞台演出、IT・・・

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以前の記事でお伝えしましたが、ファッションショーは新しいトレンドやブランドの打ち出したいイメージを訴求する場です。毎回、短い時間の中で自分たちの世界観を表現し、伝えたいものを伝え、かつブランドイメージも保つ。そのために、会場の雰囲気、内装、舞台(ランウェイ)、音楽、ライト、ヘアメイクなど、要は“服とモデル”という不変的要素以外の、ショーを構成しているあらゆる部分をコントロールします。パリコレは、その総合的なクオリティが高く、インパクトやメッセージ性も強く、プレゼンとして抜群なのです。

そして、クオリティの高いものを求めれば、当然、ついてまわるのがおカネです。コストが高くなるのは、致し方ありません。随分と前置きが長くなりましたが、ここからが本題のおカネの話です。

ファッションショーもカネ次第

ラグジュアリーブランドでも、すべてのブランドがファッションショーを行うわけではありません。それは、ブランドのイメージ戦略などの面もあるのですが、それ以前に、実は資金面での力も大きく関係しています。言い換えると、ファッションショーをする(できる)、しない(できない)には、おカネが関係しているということです。ショーをしたくても、資金的に厳しいブランドもあり、ファッションショーを行えるコレクションブランドであること自体、十分にステータスなのです。

では、実際にファッションショーを行うには、どれくらいのおカネがかかるのでしょうか。同じファッションショーといっても、シャネルやヴィトンなどの一流メゾンと新人のデビューコレクションでは、雲泥の差があります。正直なところ、中身次第なので具体的に言うのは難しいのですが、パリコレの場合、1回のショーにかかる費用は、だいたい2000万~1億円前後と言われています。

ちなみに、1回のショーは約30分程度で、ファッションショーは年に2回ありますから、年間のコストは倍になります。これだけのおカネをつぎ込めるだけの資金的な体力がなければ、パリコレブランドとして継続し続けることは難しいのです。

注:実際にパリコレに参加するには、金銭面以外にも細かい条件が存在します

いったい、なんでそんなにおカネがかかるの?と、思いますよね。何におカネがかかっているのか、具体例をいくつか挙げてみます。ちなみに、ショーと一口に言っても玉石混淆なので、ここではある程度おカネがかかっている高級ブランドのショーという前提で説明します。

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