「知人のジャーナリスト、丸山ゴンザレスさんをタイのスポットに案内したとき、大量のシマウマの人形が置かれているのを見て、すごく関心を寄せていたんですね。
『なんだこれは!!』
って。その光景が日本人にとって面白いと感じるものだ、って初めて気づきました」
タイのラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
それからはタイ国内の怪談の現場に足しげく通い、話を聞いた。
ただタイの人は霊を怖がる人が多いという。だから聞いても、なかなか話をしてくれない。そもそも、詳しい話を知らないことも多い。また日本に比べると、いわれ・由来やかつてあった出来事を書面に書き留める習慣が薄いため、過去のことが忘れられがちだという。
「ある意味、タイ人よりもタイの怪談について詳しくなったかもしれません。集めた怪談を1冊にまとめることができたのは嬉しかったですし、しばらくはアジアの怪談について調べていきたいですね。
これからも“タイに住んでいる”というメリットを最大限に生かして、ライターを続けていければと思っています」
高田さんから聞く、タイの「ピー・ターイタンクロム」「メーナーク・プラカノン」など、日本人にとっては聞き慣れない幽霊、精霊の話は本当に面白かった。
高田さんがタイで怪談を集める話を聞いて、
ギリシャで生まれ日本で怪談を収集したラフカディオ・ハーン(小泉八雲)を思い出した。
高田さんは異国の地で1人、その国の人々よりも深く、彼らの精神性に分け入っていき、物語、出来事の底に眠る何かを引き出そうとしている。
高田さんにはこれからも、日本人がまったく知らないタイの情報を収集し、そして発信し続けてほしいと心より思った。
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