萩生田文科相「身の丈」発言が問題視された背景 そもそもなぜ「教育改革」が日本に必要なのか
ここで、高等教育改革の柱となる高校の指導要領の改訂の目的について、文部科学省の解説を見てみよう。
平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申を踏まえ,
① 教育基本法,学校教育法などを踏まえ,これまでの我が国の学校教育の実践や蓄積を生かし,生徒が未来社会を切り拓(ひら)くための資質・能力を一層確実に育成することを目指す。その際,求められる資質・能力とは何かを社会と共有し,連携する「社会に開かれた教育課程」を重視すること。
② 知識及び技能の習得と思考力,判断力,表現力等の育成とのバランスを重視する平成 21 年改訂の学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で,知識の理解の質を更に高め,確かな学力を育成すること。
③ 道徳教育の充実や体験活動の重視,体育・健康に関する指導の充実により,豊かな心や健やかな体を育成すること。
を基本的なねらいとして行った。
(高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説 総則編より引用、下線は筆者)
そして、教育改革の具体的な施策の1つとして、使える英語力を目指した学習開始年齢の前倒しと、「読む・聞く・話す・書く」の4技能の取得を求める英語改革が行われることになったのだ。
「大学入試共通テスト」の内容とは?
大学入試での改革のシンボルともいえるのが2020年度入試からの「大学入試センター試験」から「大学入試共通テスト」への変換。大きな変更点は、国語と数学の記述式問題の導入と、英語の民間資格・検定試験の導入とされていた。
英語力を測るには、上述したように4技能を測らなくてはならない。しかし、通常のこれまでのようなリスニングと筆記試験ではその4つの能力すべてを測るのは難しい。そのために、以下に示したような4技能を測れる民間の資格・検定試験の成績を活用するという理屈であった。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら