結婚に「決め手」を求める男女が知るべき"現実" 「結婚相談所」で成功する人、失敗する人の差

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実際に会ってみて難しいと感じた場合は、その理由をカウンセラーに報告する。文句をつけるのではなく、感謝をしながら控えめかつ正確に伝えることがコツだ。

次回以降の紹介を気持ちよく修正してくれるだろう。お見合い相手とだけではなく、カウンセラーとも上手にコミュニケーションをとることが結婚相談所活用の王道なのだ。

「今度は185センチの男性を紹介してもらいました。ちょっとボーッとしているけれど、穏やかな人です。ギタリストの布袋寅泰さんに似ているかな。仕事は私と同じシステムエンジニアで、職場もすごい近所だとわかり、話はそこそこ盛り上がりました」

それが現在の夫である同い年の浩介さん(仮名)だ。ただし、お互いに「ピンと来た」わけではない。何度か会って話しやすいとは感じたものの、決め手はなかったと志保さんは正直に振り返る。

「彼からも積極的には誘ってこないので、そのままお見合いを続けていました。いろんな人に会ってから結婚相手を決めるのがセオリーだとカウンセラーから聞いたからです。結婚は一生ものだからなー、と思って従いました」

そのうちにもう1人の候補者が現れた。志保さんより1歳年上の男性で、積極的にデートに誘ってくれたのだ。

「とにかく追い上げがすごかったです。でも、毎回同じ服装で、そのセンスがどうしても好きになれませんでした。ロンTの上にポロシャツなんです……。あと、人の話をあまり聞かないところも気になりました。浩介さんのほうが話しやすかったですね」

「決め手のない結婚」で幸せな2人

志保さんの話からもわかるように、2人の結婚には決め手はなく、まして大恋愛の成果でもない。浩介さんのほうは同じ結婚相談所に2年間も在籍していて、なぜか「上から目線な女の人」ばかりとお見合いしていたという。意気消沈していたところにたまたま志保さんが現れて、お互いに「話しやすい」と感じたにすぎない。結婚の縁とはそれぐらいのものなのだ。

「以前は、結婚しても恋人同士であり続けたい!と思っていました。今は、家族ができるっていいことだなと感じています。私は気難しいシングルマザーの母に育てられ、兄とも仲良くありません。だから、家族とはどういうものなのかあまり理解していなかったんです」

穏やかな浩介さんとの結婚生活に不満がないわけではない。とくに子どもが生まれてからは余裕が減ったと感じている。

「以前は家事を頑張ってくれていたダンナさんは、家事をするよりも子どもと遊びたがるようになりました。『オレが抱っこしているから』なんて。それよりも片付けを手伝ってほしいです。ボーッと携帯を見ているぐらいなら茶碗を洗えよ、と思うこともあります。でも、幸せを壊さないようにしなくちゃいけませんよね。私は調子に乗りやすいので気をつけなくちゃと思っているところです」

結婚相談所では謙虚さと賢さを同時に発揮して、浩介さんというよきパートナーと結ばれることができた志保さん。今後の結婚生活も同じ心がけで臨み続ければ、支え合える家族がいることの豊かさを享受し続けられるはずだ。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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