「結婚相談所に入会したのが一昨年の5月で、今のダンナさんを紹介されたのは6月です。10月に本交際を始めて年末にプロポーズされて退会。すぐに妊娠したけれど流産してしまい、ちゃんとしておこうと思って入籍したのが去年の4月です。8月にまた妊娠して、今年の初夏に無事に生まれました。すべてが急だったので実感がありませんが、幸せなんだろうなーと思います」
同級生が結婚し焦りを覚えた志保さん
東京郊外の商業施設内にある中華料理店にランチに来ている。生後数カ月の息子をあやしながら、この2年間の全体像を示してくれるのは、勤務先のIT企業を育児休業中の高橋志保さん(仮名、38歳)。白いTシャツとチェック柄のロングスカート姿にショートカット。筆者とは5年ほど前からの知り合いなので、少年のような飾り気のない口調で話してくれる。
音楽が好きで、20代はバンドマンばかりと交際していたと志保さんが振り返る。最も長かったのは24歳から3年間ほど「振り回された」記憶がある10歳上の男性だ。
「とにかく見た目が超好きでした。当時、銀杏BOYZがはやっていて、彼も銀杏BOYZに憧れていたみたいです。性格的には中二病をこじらせたみたいな面倒臭い人でしたね。すごく好きだったけれど……。半年ぐらい付き合って音信不通になり、また連絡が来るみたいなことの繰り返しでした」
神奈川県の「田舎のほう」で生まれ育った志保さん。20代後半に親しい同級生はほぼ全員が既婚者になっていた。親からのプレッシャーはなかったが、自分自身が「30歳までに結婚しないとヤバい」と焦ったという。
「初めて婚活パーティーに参加したのは28歳のときです。職場にも気になる人はいました。付き合ったりもしましたが結婚には至らず。彼氏がそのまま結婚相手になったらいいなと夢見ていたんです」
まずは好きな人と恋愛をして、自然な流れで結婚したい――。この感覚は多くの独身者に共通している。ただし、30歳を迎える頃になると、同い年の友だちの大半が結婚していて合コンなどもしにくくなり、焦りを覚え始めるのだ。
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