世界は「日本の核武装」をどう見ているのか?

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世界は「日本の核武装」をどう見ているのか?

民主党参議院議員・藤末健三

北朝鮮の核実験実施の発表に伴い、国内外で再び日本の核武装化論が注目されてきています。国内では、自民党の中川昭一政調会長や麻生太郎外相が核兵器保有の議論の重要性を述べ、メディアや論壇にも影響が広がっています。

 実は、海外ではそれよりも前から日本の核武装化を懸念する声が上がっていました。たとえば、世界的にも有名な ニューヨークタイムズファイナンシャルタイムズは社説で日本を名指しして、核拡散への懸念を表明しています。また、欧米だけでなくエジプトや韓国、ロシアなどのメディアでも日本の動向を注視するような論調が展開されているようです。ある意味では、今回の国内の議論もこのような海外の関心が輸入されるような形で始まったとも感じます。

 ただし、彼らの議論の根拠なり意図を理解しておかないと、振り回されるだけになってしまいます。確かに、海外からの観点は大事ですが「海外がこうだから。海外がこう言っているから」と単純に鵜呑みするのは危険です。今回のコラムでは、海外の論調を分析しながら、国内で核武装化を議論する際にも重要と思われる国外への影響について述べていきます。

論調は主に3通り

 私がざっと読んだ限りでは、日本の核保有に関する国外の論調は大きく以下の3つに分かれると思います。

(1)世界的な核拡散への懸念
(2)「日本カード」としての中国への牽制
(3)右傾化した日本の軍事化への懸念

  
 まず一番多く見られるのは、日本が核兵器を持つと、「世界各地で核兵器を保有しようとする動きが広がるのではないか」という懸念です。唯一の被爆国として、核三原則を自らに課し、核不拡散に取り組んできた日本が核兵器を持つとなると、国際社会に与えるインパクトは計り知れません。イラン以外にも中東や南米でアメリカを敵視する国々が核開発を始めることもあり得ますし、核兵器は管理が難しいため、テロリストへ核兵器が渡る可能性も考えられます。加えて、「抑止のため」とはいえ、日本までもが核兵器を持った場合、核拡散防止条約(NPT)の枠組みは崩れ去ってしまう恐れがあります。このような「核保有ドミノ」を起こさせてはならない、というのが最初の慎重論です。 

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