「できる社長」と「残念な社長」の決定的な違い セミナー後の質問、新聞の読み方……

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もし、「この魚を釣りたい」と具体的な目標があれば、その魚を釣るのに向いた釣り竿を持って行くでしょう。獲りたい魚によって、つける餌も変わってくるでしょう。浅瀬にいるのか、深いところにいるのかも考えるでしょう。

具体的に問題意識を持つほど、魚を獲りやすくなるのです。必ずしも目的の魚だけではなく、ほかの魚も獲れるかもしれません。それもまた楽しい収穫物です。

探し求めているから宝に気づける

具体的な問題意識を持たない社長は、部下の話を聞いてもアイデアなどをまねするだけです。「衆知を集める」ことはとても大切ですが、自分なりの考え方や問題意識を持たずに部下や他人の話を聞いても、それが正しかどうかもわからないのです。そして適当な意見をまねするだけになってしまいます。自身の問題意識や仮説が必要なのです。

人と会って話を聞く、情報交換をする、新聞を読むときも同じです。どんなにいろいろインプットして気づきの宝庫に身を置いても、仮説を持ってものを見ないと、大事なことは何も見えてこないのです。よく「アイデアがひらめく」と言いますが、アイデアも問題意識を持ち、仮説を立てているからひらめくのです。

ひらめくとは、脳の中で何かと何かが結び付くことです。自分が考えていたことと、何か見聞きしたこととが結び付いて「あっ、こうすればいいんじゃないか!」と気づく。そこにひらめきが生まれます。

例えば、新しい商品を作りたいとずっと考えているときに、街を歩いていて面白いものを見て、ふっとアイデアが湧く。何か新しい商品ができないか、何かヒントはないかと考えているから、気づきがあるのです。

つねにそういう思考習慣をつけていると、修練されて「勘」が磨かれていきます。

私の愛読書である松下幸之助さんの『道をひらく』の中に、「カンを働かす」という一編があります。そこにはこう書かれています。

「カンというと、一般的には何となく非科学的で、あいまいなもののように思われるけれども、修練に修練をつみ重ねたところから生まれるカンというものは、科学でも及ばぬほどの正確性、適確性を持っているのである」

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