「できる社長」と「残念な社長」の決定的な違い セミナー後の質問、新聞の読み方……

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経営者の「経営勘」も、修練を積み重ねていくことで磨かれ、それにより正しい方向づけを生み、成果に結びついていくものですが、それは常に問題意識を持っていないと磨かれません。

私は、朝のうちに日本経済新聞を読まない経営者を信用できません。日本の経済界の動向を知る基本は、やはり日経新聞でしょう。

出張で午前10時台、11時台の飛行機のプレミアムクラスに乗ったとき、隣のビジネスマンがCAさんに日経新聞を所望しているのを見かけると、「この人がもし経営者だったら、私はこの人の会社の株は買わないな」と思います。そんな時間まで、その日の経済の動きを知らずに平気でいられる神経が、経営者としてはダメだと思うからです。

新聞を読んで考えるべきこと

経営者が日経新聞を読んで考えるべきことは、「あったこと、起きたこと」だけではなく、「これから起きそうなこと」です。それを踏まえて、自社はどうしたらいいか判断する。それは、その日いちばんに考え、必要な指示を出し、動くべきことです。

紙の新聞を読もうが、スマートフォンやタブレットで電子版を読もうが、それはその人の好き好きですが、見出しをパッと見て、自分の興味のある記事しか読まないというのは、情報収集のための新聞活用術としてはダメな行動パターンです。

関心のある記事しか読まなかったら、自分の興味レベルはそこから広がりません。新聞を読む意味は、自分の関心領域をどんどん広げていくこと、自分の関心を世間の関心に合わせていくことにもあります。これは訓練だと割り切って毎日やるべきことです。

ですから、最初はあまり興味を持てなくても、丹念に読む努力を続けることが大切なのです。一度読んで知識が広がると、次にその関連情報を目にしたとき、「ああ、この間のあれ関係の話だな」と思いますね。

つまり、それだけですでにちょっと「興味の持てること」に変わっているのです。「関心のフック」ができ、それに情報が引っかかるようになったのです。自分の関心の幅を広げていくのに、新聞の記事くらいの情報量はちょうどいいのです。

忙しいときはリード文のある大きな記事のリード文だけでも読むことを続けると、実力が上がります。リード文のあるような大きな記事は、だいたい毎日10前後あります。自分に関心があろうとなかろうと、大きな記事はリード文だけでも読み続けます。そのような読み方を2カ月も続けていると、関心の幅が広がり、新聞の「読み方」や世の中の見え方が違ってきます。

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